アーリーリタイアとは 必要な資金はいくら?
2023.07.26不動産クラウドファンディング少し前にFIREという言葉が流行しました。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字から来た言葉であり、定年を前に仕事を退職し、自分の時間を大切にしながら収入源を確保しつつ生活するスタイルです。
日本では定年とされる60歳や65歳まで働くのが常識になっていますが、FIREのように定年より早く退職する、アーリーリタイアという生活スタイルに憧れる人も少なくはありません。
では、アーリーリタイアに必要な資金はどれぐらい必要なのでしょうか。アーリーリタイアを実現するための具体的な方法を考えてみましょう。
アーリーリタイアとは
まず、アーリーリタイアという生活スタイルについてもう一度確認しておきましょう。
定年を前に退職して自由に生活するスタイル
アーリーリタイアのアーリーとは「Early」、英語で”早い”という意味。つまり社会人として一般的にリタイアする定年前に退職して、給与をもらって働くスタイルをやめることを指します。
会社勤めを辞めた後は自分の時間が多くできるので、趣味や旅行に時間をかける人は多いようです。一方で、全く働かなくなるのではなく、自分で仕事を立ち上げて好きな時に働くという人もいるようです。
生活資金は現役時代に用意する必要がある
アーリーリタイア後の生活費は現役で働いている時に用意しておく必要があります。そのため、現役時代は一般の人よりも熱心に働き、節約を意識する必要があるでしょう。定期的な収入源がなくなってしまうため、よほど大きな資産を有しているのでなければ、リタイア後も贅沢は避け、生活費を抑える工夫が必要になります。
アーリータイヤ後の生活がどうなるかは、現役時の働き方や収入、その時の資産状況によって異なると言えるでしょう。
アーリーリタイアに必要な資金は?
では、具体的にアーリーリタイアに必要な資金はどれくらいになるのでしょうか。
日本では現在65歳から年金が支給されますので、最低限考えておきたいのは、退職後から年金支給開始までの収入となります。
45歳でアーリーリタイアする場合
45歳でアーリーリタイアする場合、45歳から65歳まで20年間の生活費を現役時に用意する必要があります。生活費がどの程度になってくるのかは、単身者と配偶者がいる世帯、子供がいる世帯で変わってきますが、ここでは単身者世帯を想定してみました。
単身者の場合、1ヶ月の住居費を覗く生活費は主に月あたり約16万円です(2022年総務省家計調査報告より)。持ち家の有無によっても変わってきますが、生活に必要なお金は、少なくとも約20万円と想定されます。
つまり、アーリーリタイアに必要なお金は、毎月20万円×20年×12ヶ月=4,800万円です。
つまり、5,000万円近い貯金が必要になります。さらに年金だけでは生活費が足りなくなることも多いので、プラスアルファで1,000万円以上の蓄えがあると安心です。
23歳で就職するとして、20年強の期間で約6,000万円の貯金をしなければいけません。
50歳でアーリーリタイアする場合
45歳でアーリーリタイアする場合は、短い期間で大きな金額を用意しなければならないので、実現はなかなか難しいかもしれません。
一方50歳でアーリーリタイアするとなると、年金支給までの時間も短くなりますし、会社勤めを始めてからの期間も長いので、その金額はより現実的なものとなります。
65歳までの15年間、毎月20万円必要として、ためておくべき金額な20万円×15年×12ヶ月=3,600万円となります。老後のことも考えると5,000万円は欲しいところでしょう。
23歳で就職したと仮定して27年で5,000万円を貯めるとしたら、1年間で将来のために備える貯金は190万円弱となります。
貯金より資産を運用して生活資金を増やす
アーリーリタイア後の生活について考えてみると、毎月の生活費20万円は最低限のものであり、時間に余裕があっても趣味や旅行などにかけられるお金は限られます。
時間は十分にあるのにお金がないので家にいるばかりという、アーリーリタイアの理想からかけ離れた生活スタイルになってしまうかもしれません。また単身者ではなく、配偶者や子供がいる場合は、必要な生活費は多くなるので、より計画的に考えなければいけないでしょう。
そこで考えておきたいのが、アーリーリタイアでそれまでの貯金を切り崩すのではなく、資産を運用していくスタイルです。
例えば5,000万円の貯金を用意できていれば、年利5%で運用すると毎年250万円の収入になります。
貯金はなくなりませんし、自由な時間を活用し、無理なく働いて10万円ほどの収入をプラスで得られれば、金銭的にも、また精神的にも余裕のある生活を送れるでしょう。大きな出費のみ貯金から捻出し、毎月の生活費は資産運用と適度な労働で賄っていくのです。
アーリーリタイア後、何もしないと貯金は減る一方ですが、資産から運用益を出せば貯金が減るだけという不安に脅かされることもなく、アーリーリタイア後の生活を満喫できます。
充実したアーリーリタイア生活を送るためにはインカムゲイン投資を行う
生活費を補うための投資には、いわゆるインカムゲイン目的の投資が向いています。インカムゲインとは、資産を保有している間定期的に収入を受け取ることができる投資を指します。
株投資に例えてみると、株を購入して値上がりしたら売るという売買益を目的とした投資はキャピタルゲイン投資に該当しますが、株を持っている間企業から配当される配当金目的の投資はインカムゲイン投資となります。インカムゲイン投資は細かな売買や相場の監視を行う必要がなく、保有している期間は自動的に収入が入ってくるので、収入を得るための時間がかからないメリットがあり、損失も基本的には起こりません。
ではインカムゲイン投資にはどのようなものが向いているのかを見ていきましょう。
不動産投資
インカムゲイン投資の中でも代表的なものが不動産投資です。不動産を購入してその不動産を他者に貸し出すことで毎月家賃収入を得ることができます。マンションやアパートなどを購入して人に貸し出せば、管理や運営も不動産会社に委託できるので、僅かな時間の労働で定期的な収入を得ることができます。
リスクとしては賃貸需要のないエリアの不動産を購入すると不動産が値下がりしたり、空室が発生して収入が入らなくなったりすることがあります。また自然災害による建物損害リスクなどもあります。需要のある物件を見極めるための勉強が必要だと言えるでしょう。
投資信託
投資信託は、自分の資産を証券会社に代行で運用してもらう投資手法です。投資対象は債券や為替、株など様々ですが、それらの投資手法について知り尽くした投資のプロに運用してもらうことができるのがメリットです。自分で運用する手間がかからず、さらに知識や経験の豊富な人に運用してもらえるので利益が発生する可能性も高くなります。
ただし、確実に利益が出る保証はありません。また仮に運用が失敗して赤字になった場合でも、運用手数料を支払う必要があるので、損失が拡大するデメリットがあります。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、融資型クラウドファンディングとも呼ばれる投資手法です。クラウドファンディングのシステムを利用して運営会社が少額ずつ投資家からお金を集め、その集めたお金を他者に融資します。他社に貸し付ける際に設定した貸付金利の収入が投資家に分配されます。投資家はクラウドファンディングのシステムにより小額から投資を始めることができ、自分で資金の運用を行う必要がないというメリットがあります。
リスクとしては貸付を行うので返済が行われない、つまり債務不履行が起こりえることです。そうなると大きな損失にも繋がりかねません。そのため貸付先の情報や担保などの保証の有無は精査して把握しないといけないでしょう。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産会社が運営するクラウドファンディング投資です。不動産会社は投資家から少額ずつお金を集め、集めた資金で不動産を購入・運用します。不動産会社は購入した不動産を運営して得られた収入を投資家に対して分配していきます。投資家は少額から不動産投資ができるメリットがあり、また自分で不動産を運用する必要もありません。
リスクとしては、一般の不動産投資のように空室リスクや物件の値下がりリスクがあります。物件情報は詳細に公開されるので、一般的な不動産投資と同じように物件情報からリスクを判断し、投資先を選ぶことが必要となります。
利回りとしては年利3~5%程度が多く、海外で運用される案件であれば利回りが10%を超えるものもあります。
まとめ
アーリーリタイアをするためには少なくとも5,000万円以上の資金が必要ですが、現役時代にそれだけのお金を稼げる人はなかなかいないかもしれません。またアーリーリタイア後の生活は貯金を切り崩すことになるので、心理的な余裕がなくなりがちです。
そこでまとまった資金が用意できたら、その資金を運用して利益を生み出していくインカムゲイン目的の投資を行うことで手元の資金を減らすことなく、毎月一定の収入を得ることができます。
そのための手段には不動産投資や不動産投資型クラウドファンディングなどがありますが、まずはいろいろな投資手法を研究し、自分にあったインカムゲイン投資手法を模索してみてはいかがでしょうか。
TECROWD運営事務局
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