不動産投資クラウドファンディングの利回りとは
2024.03.19不動産クラウドファンディング不動産投資クラウドファンディングの利回りの計算方法
不動産投資クラウドファンディングとは
不動産投資クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、その運用益を投資家の出資額に応じて分配する投資方法です。
不動産投資クラウドファンディングには、通常数か月~3年程度の運用期間があらかじめ設定されており、その期間中に、運用益から計算した配当金と出資部分にあたる元本が投資家に支払われます。
不動産投資クラウドファンディングの種類
不動産投資クラウドファンディングの種類は、不動産の運用方法の違いによって賃貸型と開発型に分けることができます。
賃貸型とは
「賃貸型」の不動産投資クラウドファンディングとは、集めた資金で購入した不動産を賃貸して収益を得るタイプの商品です。
賃貸する不動産は投資ファンドごとに異なり、例えば、マンションなど住宅用不動産への投資、ホテルなど商業用不動産への投資、グループホームなど福祉施設への投資などがあります。
投資家には、賃貸収入から生じる配当金と出資部分に相当する元本が支払われます。
開発型
「開発型」の不動産投資クラウドファンディングとは、集めた資金で、経済発展が見込まれる国や地域の土地を商業用地や住宅用地として開発したり、建物を建築したりしたうえで、その開発物件を第三者に売却して収入を得るタイプの商品です。
投資家から土地購入資金や土地造成・建物の建築費用などを集めて工事を行い、開発後の物件の売却益と、出資部分に相当する元本が配当される仕組みになります。
売却益の高い開発プロジェクトほど、利回りも高めに設定されています。
不動産投資クラウドファンディングの利回りの計算方法
不動産投資クラウドファンディングで投資家に示される利回りは、一般的に下記のように計算されています。
【利回りの計算式】
1年あたりの配当金額/投資額
「1年当たりの配当金額」とは、1年間の予想収入から諸経費やクラウドファンディング事業者の報酬を差し引き、実際に投資家に配当として支払われる金額です。
例えば1口10万円で1億円(合計1,000口)を募集している賃貸型の商品の場合、1年間に予想される賃貸収入が550万円、諸経費等が50万円、投資家に支払われる配当金が500万円であれば、その投資ファンドで想定される投資家の利回りは5%(500万円/1億円)となります。
開発型の場合も計算方法は同じです。
例えば1口10万円で1億円(合計1,000口)、売却予定額が1億1,000万円、予定される諸経費等が100万円、配当される金額が900万円、運用期間が1年であれば、利回りは9%(900万円/1億円)となります。
運用期間が1年を超える場合や1年未満の場合は、予定される配当金を1年分に換算した利回りを表示します。
不動産投資クラウドファンディングの利回りの相場
不動産投資クラウドファンディングの利回りの相場は4%~10%と幅広く展開されており、投資対象や商品性によって異なります。
例えば、国内都市部の賃貸型の不動産クラウドファンディングは安定したリターンを見込めるため人気ですが、国内都市部の不動産は物件購入費が高額であるため、利回りは4%~6%程度となることが一般的です。
これに対して、開発型の不動産投資クラウドファンディングでは、やや高めのリターンを狙うことができます。
特に海外の新興国のようにこれからの経済成長が見込まれるエリアの開発型の投資ファンドでは、利回りが10%を超えるものもあります。
海外の新興国の不動産投資クラウドファンディングには、現地における開発のノウハウや売却先の確保が不可欠であるため、取り扱う業者自体がまだ少なく、非常に人気の高い投資ファンドになります。
不動産投資クラウドファンディングは利回りが低い?儲からないと言われる理由
不動産投資クラウドファンディングは利回りが低く、儲からないと言われることがあります。
確かに通常の不動産投資、特に中古不動産への投資では利回りが20%を超えるような投資情報も珍しくありません。
数値だけを見れば、利回りが低いと感じてしまうことも無理のない話です。
しかしこれは、通常の不動産投資が儲かりやすいという意味ではなく、一般的な利回りの計算方法が違う点も理由の一つです。
通常の不動産投資の利回りには表面利回りと実質利回りの2種類ある
通常の不動産投資の利回りは、周辺の賃料や売却額の相場から収入を想定して計算した「想定利回り」で表示されます。
しかし、想定利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります。
「表面利回り」とは、投資額に対するリターンを1年間の総収入から計算する利回りのことです。
これに対して「実質利回り」とは、投資額に対するリターンを1年間の純利益(収入-経費)で計算する利回りになります。
不動産投資クラウドファンディングは「実質利回り」
通常の不動産投資の利回りは「表面利回り」で示されることが一般的です。表面利回りには、投資家が負担する税や保険料、共用部分の光熱費、建物の修繕費、管理会社に管理を委託した場合の報酬といったコストが考慮されていません。利回りはその分、高く表示されます。特に中古不動産は物件価格が低いため、計算上の利回りはかなり高めに表示される傾向があります。
これに対して不動産投資クラウドファンディングの利回りは、投資家に配当する予定金額をベースに利回りを計算します。つまり、不動産投資クラウドファンディングの利回りとは、すでに必要なコスト(税や保険料、ファンドの運営費などの諸費用)を控除した後の「実質利回り」です。
そのため、不動産投資クラウドファンディングで表示される利回りが低いといっても、実際は、通常の不動産投資と比べて遜色のない利回りであることが多いのです。
まとめ
不動産投資クラウドファンディングの利回りの仕組みや計算方法、通常の不動産投資の利回りとの違いなどを解説しました。
不動産投資クラウドファンディングにおける最終的な利回りは、投資ファンドの運用成績によって決まります。
運用成績によっては想定利回りを上回る金額が支払われることもありますし、あくまで投資商品ですので、元金を下回るリスクもあります。
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参考ページ:配当支払・元本償還実績レポート
TECROWD運営事務局
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