不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いとは?
2022.09.08不動産クラウドファンディング
人気の投資手法である不動産クラウドファンディングですが、似た投資手法にソーシャルレンディングというものがあります。
本記事では、不動産クラウドファンディング、ソーシャルレンディングがそれぞれどのようなものなのか、どのような違いがあるのかについてご説明してまいります。
不動産クラウドファンディングとは
事業者が不動産特定共同事業法(国土交通省管轄)に基づく許可を得て、主にインターネット上で資金調達を行い、不動産を購入もしくは賃借して事業を行う仕組みのことを、不動産クラウドファンディングと言います。
不動産の購入や運営管理は事業者が行うため、手軽に少額から投資することができるというメリットがあります。
投資家は、不動産投資で得た収益から、税金や管理費等の必要経費を控除したものを分配金として受け取ることができます。
ソーシャルレンディングとは
事業者が第二種金融商品取引業の登録(金融庁管轄)を受けたうえで、主にインターネット上で資金調達を行い、資金需要者に資金を貸し付ける仕組みのことを、ソーシャルレンディングと言います。
投資家は、事業者が得る金利収入から必要経費を控除したものを分配金として受け取ることができます。
不動産クラウドファンディングと同様に、少額から投資を行うことができます。
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違い
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの細かな違いについて、見ていきましょう。
配当原資
投資家への配当原資は、それぞれ以下のとおりです。
不動産クラウドファンディングは、対象不動産から得られる賃料収入や売却時の売却益。
ソーシャルレンディングは、貸付先からの金利収入。
主にインターネット上で投資家から出資を募る点では同じですが、集めた資金で不動産を購入・運用するのか、資金需要者に貸し付けるのか、それぞれの運用方法により、生まれる収益も投資家への配当原資も異なります。
リスク
不動産クラウドファンディングのリスクのうち大きなものとして、対象不動産の価値の大幅な下落が挙げられます。
ファンドの運用期間終了時には対象不動産を売却して元本償還を行いますが、下落幅が大きい場合、投資元本が棄損する可能性があります(このリスクに備えるため、多くのクラウドファンディングでは、後に述べる「優先劣後構造」を採用しています)。
ソーシャルレンディングのリスクのうち大きなものは、貸付先の倒産です。
ファンドの運用期間終了時には、貸付先から貸付金の返済を受けて元本償還を行いますが、貸付先が倒産して貸付金が回収できない場合は、投資元本が棄損する可能性があります。
仮に、貸付先から貸付金を全く回収できない場合は、投資元本全額が償還されないことになります。
共同出資
不動産クラウドファンディングでは、投資家の出資金の他に営業者も共同出資をすることがあります。
この事業者の出資は、投資家の出資金(「優先出資」といいます)より、償還や配当において劣後する「劣後出資」と呼ばれます。
仮にファンドに損失が出た場合、まずは劣後出資から棄損させるため、損失額が劣後出資の範囲内で収まるかぎりは、投資家の優先出資は保護されることとなります。
しかし、ソーシャルレンディングでは、営業者が劣後出資を行うことはありません。
劣後出資は、不動産クラウドファンディング独特の仕組みと言えそうです。
法律・登録
不動産クラウドファンディングの準拠法は不動産特定共同事業法であり、ソーシャルレンディングの準拠法は金融商品取引法です。事業を行うためには、それぞれの法に定める許可・登録を受ける必要があります。また、ソーシャルレンディングは、集めた資金を資金需要者に貸し付ける(貸金を行う)ため、貸金業に定める登録も必要になります。
おわりに
不動産クラウドファンディングと、ソーシャルレンディングがどのようなものなのか、また、どのような違いがあるのかについて、ご説明しました。
主にインターネットを用いて投資家から出資を募る点では同じですが、運用手段の点では明確に違います。
投資を行う際には、それぞれの仕組みやメリットデメリットを理解したうえで、選ぶようにしましょう。

TECROWD運営事務局

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