クラウドファンディングの5つの種類とは 特徴と利用のメリットを解説!

2023.08.22不動産クラウドファンディング

2000年代初頭に登場したクラウドファンディングという言葉や概念は、すでに多くの人にとって一般的なものになっているのではないでしょうか。

一方で、クラウドファンディングについて知ってはいるものの、実際に利用したことがないという人がまだまだ多いのも現状です。

全国の20-69歳、10,943名を対象に実施した株式会社モニタスの調査によると、クラウドファンディングを「利用したことがある人」の割合は9.7%にとどまり、「知ってはいるが、利用したことはない」が71.5%にのぼりました。

参照:モニタス、「クラウドファンディングに関する調査」を発表|モニタスのプレスリリース

認知の割に利用が伸びない理由のひとつとして、クラウドファンディングについて漠然と知ってはいるが、それが具体的にどういうもので、どういう種類があり、利用することでどのようなメリットがあるのか、それらの詳細についてはまだそれほど知られていないという点があるでしょう。

この記事では、一般的なクラウドファンディングの種類と特徴、それを利用することで得られるメリットなどについて解説します。

クラウドファンディングの5つの種類

一般的なクラウドファンディングにはどのような種類があるか、その種類と特徴をご紹介します。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、支援者が一定の金額を出資し、そのリターンとして商品やサービスなどを受け取ることができるクラウドファンディングの一種です。

一般的なクラウドファンディングでは、支援者はプロジェクトを支援するために寄付を行いますが、購入型クラウドファンディングでは、支援者はあらかじめ商品またはサービスを予約もしくは購入することによってプロジェクトを支援します。

購入型クラウドファンディングの一般的な流れは以下のようになります。

  1. プロジェクトオーナーが新しい商品やサービスを開発・製造・販売するためにプロジェクトを立ち上げる
  2. 支援者はそのプロジェクトを支援したい場合、商品やサービスを予約または購入する
  3. プロジェクトが目標金額に達すると、クラウドファンディングは成功し、プロジェクトオーナーは商品の製造やサービスの提供にとりかかる
  4. 支援者は商品やサービスを受け取る

購入型クラウドファンディングのメリット

購入型クラウドファンディングのメリットは、まだ世に出ていない新製品や一般ではなかなか提供されないサービスなどを割引価格で入手するなどの特典を享受できる点です。

一方プロジェクトオーナー側のメリットとしては、自己資金や銀行調達によらず資金の手当てができること、商品やサービスの需要を事前に確認できること等が挙げられます。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、商品やサービスなどのリターンを期待するのではなく、自治体の事業や公共性の高い取り組みなどに対して資金の寄付をメインに行うクラウドファンディングです。

例えば、自治体で施設を運営するのに費用が足りない場合、寄付型クラウドファンディングを利用して資金を集めることなどがあります。資金を提供した人は直接的なリターンを得ることはできませんが、寄付を行ったことによってどのような社会貢献ができたか、その経過や結果を知ることで満足感を得ることができます。

2022年に話題になった寄付型のクラウドファンディングとして、法隆寺の維持管理費用を集める目的で実施されたクラウドファンディングがあります。法隆寺では、コロナ禍により参拝客が激減、維持管理費用の捻出が困難になったため、クラウドファンディング事業の実施を決断しました。目標額は2000万円でしたが、事業開始の翌朝に早くも達成、最終的に1億5700万円もの寄付金を集めることに成功しました。

寄付型クラウドファンディングのメリット

寄付型クラウドファンディングにおいて支援者は、自分の寄付が特定の社会的な問題や活動に役立つことを実感できます。

例で挙げた法隆寺のクラファンでは、総勢7456人の支援者が寄付を行っています。少額からでも支援できるため、多くの人が気軽に参加できるという特徴があり、大勢の支援者が参加することで大きな資金を集めることも可能です。

また、まったく金銭的なメリットがないわけではありません。国や地方公共団体、認定NPO法人などに寄付をした場合、その金額分は寄附金控除の対象となり、所得税や住民税などから控除される場合もあります。

プロジェクトオーナーサイドからすると、環境保護、教育支援、医療支援、芸術文化の振興など、多様なジャンルでプロジェクトを実施することができます。支援者からリターンを求められないこともメリットと言えるでしょう。

融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングは、個人や企業が資金調達を目的に行うクラウドファンディングの一形態です。この方法では、プロジェクトオーナーが借り手として資金を求め、支援者(個人や企業)が貸し手として資金を提供します。

貸し手は対価として一定の利息収入が得られます。これは、プロジェクトの成功により借り手が元本と利息を返済することで実現します。従って、プロジェクトが失敗し、借り手が返済できない場合、貸し手は元本や利息の一部を失う可能性があります。

融資型クラウドファンディングは、特に起業家や中小企業などが銀行からの融資を受けるのが難しい場合や、より多くの個人投資家から資金を調達したい場合に有用な手段として利用されています。

融資型クラウドファンディングのメリット

融資型クラウドファンディングは、融資の際の貸付金利から分配を受け取る投資です。自分で運用をする必要がなく、定期的なインカムゲイン収入を得ることができます。そのため本業が忙しく投資する時間がないという方に向いています。

また数万円など少額からでも投資が可能であり、まとまったお金を用意しなくても投資を始めやすい点もメリットです。

一方で、投資である以上、当然ながらリスクもあります。

融資型クラウドファンディングは、資金を貸し付ける投資のため、融資先の倒産や債務不履行が起こると、投資家は大きな損失を被る可能性があります。実際に融資型クラウドファンディングでは、過去いくつかの案件で投資家が損失を被る事態となっています。

担保や保証が設定されているか、債務不履行が起きた場合の対応がどうなっているのかをしっかりチェックして、リスクカバーを考える必要があります。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは、一般の個人投資家がスタートアップ企業や成長中の企業に対して株式の購入を通じて出資を行うことができる仕組みです。

投資家は企業の一部として株式を所有することになります。このため、企業の成長に応じて株価が上昇することで、投資した資金を増やせる可能性があります。ただし、投資した資金の一部または全部を失う可能性もあることを理解する必要があります。

株式投資型クラウドファンディングのメリット

株式投資型クラウドファンディングの最大のメリットとしては、ベンチャー企業の株式を上場前に購入し、将来的に大きなキャピタルゲインを目指せる点が挙げられます。上場企業の株式を購入する一般の株式投資と違い、起業直後のまだあまり認知されていないが将来性のある企業を支援し、その成長を見守る喜びもあるでしょう。

また、ベンチャー企業に投資したお金はエンジェル税制を利用できるので、所得税や住民税などが控除されるメリットがあります。

不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資型クラウドファンディングも、投資ができるクラウドファンディングの一形態です。不動産プロジェクトのオーナーや運営会社が投資家から資金を集め、不動産事業を行い、得られた利益を出資額に応じて投資家に分配します。

不動産投資型クラウドファンディングは、一般の個人投資家が不動産事業に参加する手段として人気があります。しかし、不動産投資にはリスクが伴うため、投資家は事前にリスクを理解し、信頼性のあるプラットフォームを選択することが重要です。

不動産投資型クラウドファンディングのメリット

不動産投資型クラウドファンディングは、少額から投資が可能なため、多くの個人投資家が不動産プロジェクトに参加することができます。これにより、個々の投資家が多様な不動産プロジェクトに分散投資することができます。

プロジェクトも多様で、新築や再開発、商業用や住宅用、ホテルやオフィスなど、さまざまな不動産プロジェクトへの投資機会が提供されます。

不動産投資型クラウドファンディングは、オンラインのプラットフォームを介して投資家と不動産プロジェクトのオーナーがマッチングされるため、オーナー側としても広範な投資家と接点を持つことができ、効率的な資金調達が可能となります。

不動産投資型クラウドファンディングでは、現物の不動産が存在するため、万一の場合にも全損という事態は避けられるうえ、優先劣後出資方式という損失を防ぐ取り組みを行っているプラットフォームも多くあります。

まとめ

クラウドファンディングの主な5つの種類について解説してきました。

世間的に認知されているクラウドファンディングとしては、リターンを求めない寄付型や、商品やサービスなどの特典を受けられる購入型がありますが、融資型や株式投資型、不動産投資型など純粋な投資対象としてのクラウドファンディングも存在します。

ただし、投資にはリスクが伴います。投資タイプのクラウドファンディングを利用する際には、自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、信頼性のあるプラットフォームを選ぶことが重要です。

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タグ : クラウドファンディング 不動産クラウドファンディング
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