投資と投機の違いとは? 堅実に資産形成したい人はどちらを選ぶべき?
2024.02.27不動産クラウドファンディング投資と投機の違い
投資と投機は似て非なるものですが、明確な違いがわかりにくいといえます。最初に、投資と投機それぞれの特徴と違いを解説します。
投資 | 投機 | |
目的 | 対象に出資して利益を得る | 短期間で大きな利益を狙う |
期間 | 中長期 | 短期 |
メリット | 堅実に資産形成できる | 短期で利益を得られる |
デメリット | 資産形成に時間がかかる | リスクが大きい |
投資とは
投資とは、将来の利益を期待して、有望な投資先に資金を投じることです。たとえば、収益を得るための不動産や株式の購入が投資にあたります。投資対象の生み出す利益や経済成長の恩恵を享受することが投資の本質といえます。
投資の主な利益には、投資した資産の売却益であるキャピタルゲインと、資産の保有によって得られるインカムゲインがあります。インカムゲインには不動産投資の家賃収入や株式の配当金、債券の利金などがあります。ただし、投資は利益を期待できる反面、損失を被る可能性もある点に注意が必要です。投資のリスクやリターンは投資対象によって異なり、株式は比較的ハイリスク・ハイリターン、不動産はミドルリスク・ミドルリターンというような特色があります。
投機とは
投機とは、投資対象の短期的な価格変動に着目して利益獲得を目指すことです。資産の価値ではなく、短期間の値動きによって取引判断を行うのが投機の特徴です。株式の信用取引で、値下がりを予想して空売りから入って収益を狙うことなどが投機にあたります。また、FXの証拠金のように自己資金より大きな金額の取引ができるレバレッジ効果のある投資も、投機に分類されるでしょう。株式投資もやり方によって、投資にも投機にもなります。
投資と投機の違い
投資と投機を分類する基準は、利益を得るまでの期間とリスクコントロールの度合いと考えられます。まず、投資と投機で明らかに異なるのは、利益を得るまでの期間です。投資は一般的に中長期で資産を育てていきますが、投機は対象の短期的な値動きに狙いを定めて利益を刈り取っていきます。
次に、リスクコントロールについてです。投資では中長期で資産を保有することで価格変動リスクを軽減し、安定的な収益の獲得を目指します。一方、投機は短期間にいかに大きな利益を得るかに注力するため、必然的にリスクは大きくなります。
誤解されやすい投機とギャンブルの違い
このような投資と投機の特徴を踏まえると、投機をギャンブルのように感じる人もいるかもしれません。投機とギャンブルは短期的に損益が発生する点や、リスクコントロールが困難な点は共通しています。両者の違いは、損をする可能性の大きさです。
投機は「ゼロサムゲーム」といって、参加者の損益を合計するとゼロになると考えられます。一方、ギャンブルは胴元の取り分があるため、参加者の損益をすべて足すとマイナスになります。よって、ギャンブルは勝つ可能性が著しく低くなるのです。
投資のメリット・デメリット
ここでは、投資をするうえでのメリットやデメリットを解説します。
投資のメリット
投資には、以下のようなメリットがあります。
リスクをコントロールしながらリターンを得られる
投資は投機と異なり、リスクを軽減しながら安定的なリターンを期待できます。投資のリスクはゼロにはできませんが、長期・分散・積立などによる軽減が可能です。このようなリスクコントロールを駆使することで、価格変動などのリスクを抑え、堅実なリターンを得やすくなります。
複利効果を期待できる
投資は長い目で見て資産を増やす行為なので、利益が利益を生む複利効果を期待できます。複利とは、投資で得た利益を元本に組み入れて、得られる利益を増やしていく手法です。複利効果は投資期間が短い場合にはほとんど期待できず、時間をかけるほど得られる利益も増え、資産を効率的に増やせます。
投資のデメリット
投資には、以下のようなデメリットもあります。
資産形成に時間がかかる
投資の種類によっては、まとまった資産を形成するのに時間がかかる場合があります。投資対象のすべてが右肩上がりに値上がりするわけではなく、利益が出るまでにかかる時間はケースバイケースです。
収支が予想できない
投資で得られるリターンは確定しておらず、将来いくらになるかは予測できません。特に株式のように値動きの大きな資産は投資額の数倍に成長する可能性がありますが、値下がりするおそれもあります。堅実な利益を得るには分散投資や、有望な投資先選びなどが必要です。
投機のメリット・デメリット
投機にはどのようなメリット・デメリットがあるかを確認しておきましょう。
投機のメリット
投機には以下のようなメリットがあります。
短期間で大きな利益を狙える
投機のメリットは、短期間で大きな利益を狙える可能性がある点です。タイミングが合えば、値動きの大きな資産への投機が成功し、大きな利益を得られるかもしれません。投機が成功するには、運も必要といえるでしょう。
投機のデメリット
投機には、知っておくべきデメリットもあります。
高度な知識が必要
投機で利益を得るのは簡単ではなく、少しでも利益を得る確率を上げるには高度な知識を得る必要があります。初心者が運任せで一攫千金を狙うと、元本を失うことにつながりかねません。内容をよく理解したうえで取り組みましょう。
取引タイミングの判断が難しい
投機は短期間での取引となるため、売買のタイミングの判断が難しくなります。常時価格変動を追っていなければならず、手間も時間もかかります。
大きな損失を被る可能性がある
投機では大きな利益を狙える反面、損失が大きくなるリスクも高くなります。特に信用取引や先物・オプション取引には元本を超える損失が生じるおそれがあります。最大でどの程度の損をする可能性があるのかを確認しておくことが大切です。
投資と投機に向く人とは?
最後に投資と投機に向く人の、それぞれの特徴を解説します。
投資に向く人
投資とは、長期的な視点で資産を増やすことを目的とした活動です。投資に向く人は、以下のような特徴を持っています。
・自分の目標やリスク許容度に合わせた資産配分を考えられる
・市場の動向や経済情勢に一喜一憂せず、冷静に判断できる
・資産の成長を信じて、長期的にコツコツと積立ができる
・自分の知識や経験を活かして、自分で判断できる
・情報収集や分析に時間や労力をかけられる
投資は、堅実で他人の意見に流されない人に向いているといえます。一方、短期間で利益を求める人には向きません。また、適切な投資判断には、最低限の知識や経験が必要です。投資の勉強に興味関心が持てない人は、投資には向かないでしょう。
投機に向く人
投機とは、短期的な視点で利益を得ることを目的とした活動です。投機に向く人は、以下のような特徴を持っています。
・市場の変動に敏感に反応し、素早く行動できる
・損切りや利益確定のタイミングを見極められる
・高いリターンを求めて、高いリスクを取れる
・自分の感覚や直感を信じて、取引判断できる
・損をしても支障のない余裕資金がある
投機は基本的にハイリスク・ハイリターンなため、リスク許容度が高く、勝つための判断力に優れた人が適しています。投機で成功するには市場の価格変動を追う必要があるため、そのための時間が取れない人には向きません。また、資金的な余裕のない人は、投機をすべきではありません。利益を得るために損失リスクの高い投機で損をしてしまい、生活費も失うようなことがあれば本末転倒だからです。
TECROWD運営事務局
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