学資保険は教育資金準備におすすめ?学資保険に向いている人と代わりの方法を解説

2023.12.07不動産クラウドファンディング

子どもの学費のなかでも特に多くのお金を必要とするのが、大学入学~卒業までの4年間です。学資保険に加入して将来の学費の準備を進めているご家庭も多くいらっしゃることでしょう。

ただ、将来の学費を準備する手段は、学資保険以外にもあります。

本記事では、学資保険の特徴や学資保険が向いている人をおさらいしつつ、学資保険以外の選択肢について有力な商品をご紹介します。

そもそも「学資保険」とは

学資保険は、保険料を積み立てることで子どもの将来の教育資金に備える貯蓄型の保険です。

子どもが進学するごとに祝い金を受け取れたり、大学進学時にまとめて満期保険金を受け取れたりと、保険金の受け取り方はプランに応じて柔軟に指定することができます。

さらに、親(契約者)が亡くなった場合は、以降の保険料の払込が免除になるという特徴もあります。親に万が一のことがあっても契約が継続され、定められた時期に満期保険金を受け取れることで、確実に子どもの学費を準備できます。

また、学資保険には子どもの医療保険などが付帯したタイプもありますが、保障を充実させるほど返戻率が下がってしまうため注意が必要です。

学資保険をおすすめできる人

インターネットで検索してみると、「学資保険はいらない」という意見を目にすることもあります。ただ、誰でも不要ということはなく、学資保険の必要性は人によって異なります。

ここでは、学資保険をおすすめできる人の特徴をみていきましょう。

計画的に教育資金を作りたい人

「計画的に子どもの学費を準備したいけれど、口座にお金が残っているとつい他のことに使ってしまいそうで……」

このような不安がある人は、学資保険の活用がおすすめです。学費は子どもが小さいときからコツコツと積み立てておくことで、いざという時に工面できます。とはいえ、幼稚園~小学校~中学校と、大学生になるまでにも大きな支出が必要になるタイミングもあり、普通預金として持っていると他のことに使ってしまうことも考えられます。

一方で学資保険であれば、保険料が自動的に引き落とされるため、確実に貯蓄することができます。

親に万が一があっても確実に学費を用意したい人

大学生にかかる学費は「国公立大学」「私立大学」のどちらに通うかによって全く異なってきます。

令和3年度「教育費負担の実態調査結果」によれば、国公立大学の入学費用が約67万円のところ、私立では80万円以上が必要になります。

また、学費は国公立大学が年間約103万円のところ、私立では150万円以上が必要です。

参照:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫

もし契約者である親に万が一のことがあれば、これだけのお金を貯金することは難しくなるでしょう。

学資保険では契約者(親)が死亡した場合はその後の保険料の払込が免除になり、保障内容はそのまま継続されます。

生命保険料控除による税制メリットを狙っている人

生命保険料控除とは、加入している生命保険の年間支払保険料の額に応じて所得から一定額が控除される制度です。

売り上げから経費や生命保険料控除をはじめとした所得控除を差し引いた金額で所得税や住民税が課税されるため、節税につながるメリットがあります。

学資保険は一般生命保険料控除という区分であり、所得税なら年間最大40,000円、住民税なら最大28,000円の所得が控除される仕組みです。

このような税制メリットで節税しながら将来の学費を揃えたい人は、学資保険がおすすめできます。

学資保険をおすすめできない人もいる

学資保険をおすすめする人の反対の特徴を持っている人の場合、学資保険が不要というケースもあります。

具体的に考えられるのは、以下のようなケースです。

【学資保険をおすすめできない人の特徴】

  • 子どもの教育費用をすでに確保している
  • コツコツと貯金ができる性格である

学資保険の役割は、「親に万が一のことがあっても確実に学費を貯める」ことです。すでに大学卒業までの教育資金の準備を終えている世帯の場合、学資保険に加入する必要性は低いでしょう。

また、保険料の自動積立という仕組みに頼らずにコツコツと貯金できる性格の人であれば、学資保険を利用せずとも将来の学費を貯めることができるでしょう。ただし、大黒柱である人に万が一のことがあった場合の生活の保障は考えておく必要があります。

学資保険の代わりになる教育資金の準備方法

子どもの学費の準備に有効な学資保険ですが、子どもの教育費を貯める方法は他にいくつも選択肢があります。

商品の目的や性質が学資保険と異なるため、人によっては学資保険よりも良いと感じることもあるでしょう。

ここからは、学資保険の代わりに利用できる教育資金の準備方法を紹介します。

預貯金

シンプルに預貯金として貯蓄する方法です。生活のなかで余ったお金、あるいは先取り貯蓄で確保したお金を自力で増やしていきます。

ひとくちに預貯金といっても、普通預金や定期預金、自動積立定期預金などさまざまな方法があります。

普通預金には引き出しの制限がないため、いざという時にすぐに下ろせるお金を入れておきましょう。

自動積立定期預金であれば学資保険と同様に自動的に積立金が引き落とされて簡単には引き出せないため、保険の機能が不要なら十分に選択肢になるでしょう。

資産運用

株式や債券などの有価証券や投資信託に投資することでも、教育資金に備えることができます。

例えば投資信託。不特定多数の投資家から集めた資金を1つにまとめて、ファンドマネージャーと呼ばれるプロや運用会社がさまざまな銘柄に分散投資してくれる投資商品です。運用で得た利益は、口数に応じて投資家に分配されます。

株式と違って100円から投資することが可能で、投資信託の銘柄によっては数千銘柄に分散投資することもできます。手軽にリスクを抑えた投資ができる方法として初心者の方におすすめです。

関連記事:利回りで見る投資の種類と特徴 効果的な分散投資と方法も

また、2024年から現行のNISA制度から新NISA制度に生まれ変わります。株式などに投資できる成長投資枠は年間で最大240万円、特定の投資信託などに投資できるつみたて投資枠では年間で最大120万円まで投資ができ、そこから得た利益は無期限で非課税になります。

参照:金融庁|新しいNISA

学資保険以外の保険商品

預貯金や資産運用は保険とは全く違うアプローチで将来のために貯蓄する方法です。一方、学資保険のような生命保険のなかでも、将来の子どもの学費を用意できるものがあります。

ここからは子どもの学費準備にも利用できる保険として「低解約返戻金型終身保険」「個人年金保険」を紹介します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は終身保険の一種です。保険料払込期間中の解約返戻金が低く抑えられている(約70%程度)ため、早期の解約をすると元本割れを起こすリスクがあります。その代わり、保険料を安く抑えることが可能です。

また、保険料の払込期間さえ終了すれば通常の終身保険と同等の水準で解約返戻金を受け取れるようになります。

保険料払込期間の満了時期を子どもの進学時期に合わせることで、安い保険料で積み立てた解約返戻金を教育資金に充てられます。保険料払込期間を超えて加入すれば返戻率は100%を超えてくるため、貯蓄と保障の両方のメリットを得ることができます。

もしも低解約返戻金型終身保険とは違う方法で学費の準備ができた場合は、解約せずにそのまま契約を続けることで万が一の際に遺族が死亡保障を受け取ることが可能です。

個人年金保険

個人年金保険とは、老後の生活資金を年金形式で受け取る保険です。一定の年齢に達した後は、それまで積み立ててきた保険料から年金を受けとります。老後の備えを目的としているため、貯蓄性が高いのが特徴です。

年金の受け取り開始時期を子どもの進学タイミングに合わせたり、子どもが進学するタイミングで解約して解約返戻金を受け取ったりといった方法で、教育資金準備に利用することが可能です。

もしも学費をほかで準備できるなら、解約せずにそのまま契約を続けることで老後の生活資金として活用できます。

まとめ

学資保険は子どもが小さいうちから将来の大学入学などを見据えて学費の準備を進められるだけでなく、契約者である親に万が一のことがあれば保険料の払込が免除されます。祝い金や満期保険金という形で、確実に学費の足しにできるお金を準備することが可能です。

ただ、学費の準備方法は学資保険だけではありません。預貯金や資産運用、低解約返戻金型終身保険などの特徴を把握し、ご自身に合う商品を選びましょう。

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