不動産投資の利回りの最低ラインは何%? 計算方法やおすすめの投資方法も解説
2023.12.06不動産クラウドファンディング不動産投資における利回りの重要性
不動産投資は、一度の投資金額が大きく、投資期間は長期にわたることが一般的です。そのため不動産投資を成功させるには、長期の収支を予測し、実現可能な経営計画を立てることが必要です。
不動産投資の利回りとは、投資金額に対して得られる収益の割合を指します。不動産投資における収支を予測するにあたって不可欠な数字であり、投資判断を正しく行うための重要な指標になります。
本記事では、不動産投資における利回りの種類や計算方法、利回りの最低ライン、高利回りを維持するための不動産の選び方、おすすめの不動産投資方法について解説していきます。
不動産投資の利回りの種類と計算方法
不動産投資の利回りは、投資家自身が計算することもできますが、おそらく投資を実施するに際しては、不動産業者が投資家向けに提示している物件ごとの利回りを確認することが多いでしょう。
不動産業者が提示する利回りを正しく理解するためには、まず利回りの種類を知っておく必要があります。
利回りの計算方法は、代表的な利回りの種類である「表面利回り」と「実質利回り」に大きく分かれます。
表面利回りとは
「表面利回り」とは、投資金額に対する1年間の収入金額から計算される利回りのことです、「グロス利回り」とも呼ばれます。
実質利回りとは
「実質利回り」とは、投資金額に対する1年間の利益の額から計算する利回りのことです。利益とは、収入金額から経費を差し引いた額になります。実質利回りのことは「ネット利回り」などとも呼称します。
表面利回りと実質利回りの違い
わかりやすい数値例を用いて、表面利回りと実質利回りの違いを確認しておきましょう。
・不動産の投資額(土地・建物の購入費や手数料など):1億円
・1年間の賃貸収入:600万円(月額50万円×12か月分)
・1年間の経費:200万円(管理委託費、固定資産税、火災保険料など)
上記の例における表面利回りは6%(600万円/1億円)、実質利回りは4%(400万円/1億円)になります。
表面利回りは賃貸収入の総額から計算し、実質利回りは経費を除いた利益から計算することに違いがあります。
言うまでもなく、投資家にとって重要なのは、「儲け」を表す実質利回りの方です。
想定利回りとは
不動産業者が投資家向けに提示する利回りに、「想定利回り」というものもあります。この「想定利回り」とは、期待される収益から計算した利回りのことです。
賃貸による不動産投資の想定利回りであれば、周辺相場から算定した家賃を満室状態と仮定して計算されます。通常、不動産の借り手は周辺の複数の賃貸物件を比較しながら賃借物件を決めますので、家賃は周辺相場を参考に設定せざるを得ません。そのため、周辺相場の家賃から想定された利回りは、投資判断においてとても役立ちます。
想定利回りの多くは、表面利回りによって計算されていますが、中には実質利回りを提示している場合もあります。例えば、不動産クラウドファンディングによる投資の想定利回りは、不動産を運用するファンドが投資家に分配する利益、つまり実質利回りによって計算されるのが一般的です。
不動産投資における利回りの最低ライン
利回りの最低ラインは5%が目安
不動産投資における利回りの最低ラインについては、投資の種類によって違いがあるため、絶対的な正解というものはありません。また、不動産の所在地や築年数などによって収支のバランスも変わるため、一律に「最低〇%以上」と決めてしまわない方が良いとする考え方もあります。
しかしながら、これを下回ったら失敗しやすいとされる一般的なラインは、やはり把握しておきたいものです。
不動産投資における利回りの最低ラインは、一般的には表面利回り(想定利回り)が5%、実質利回りが3%程度と言われています。この利回りを下回ると、投資金額の回収に時間がかかり過ぎてしまい、その分、長期保有による各種リスクが高まるからです。
利回りの最低ラインについての注意点
不動産は築10年を超えたあたりから、給排水設備などのメンテナンス費が徐々に増えはじめ、一般的には15年に一回ほどのサイクルで、大がかりな修繕が必要になります。大がかりな修繕の費用は建物が古くなるほど高くなる傾向にあり、こうした事情から、不動産投資の実質利回りは、築年数の経過とともに下がる可能性があることも考慮しなければなりません。
そのため、30年以上の長期にわたって運用する予定であれば、修繕のサイクルで利回りが低下することを想定し、購入時は表面利回り(想定利回り)7%、実質利回り5%ほどのやや高めの物件を選ぶなどの対策も必要でしょう。また、不動産投資ローンを利用するのであれば、月々の返済額も当然考慮し、収支において赤字にならない利回りを確保する必要があります。
利回りが高すぎるのも危険
投資において、リターンとリスクは比例関係にあります。このことは不動産投資においても同様であり、利回りの高い不動産は通常リスクも高くなります。
例えば、地方の中古不動産には、想定利回りが20%を超えるような物件もあります。この利回りの高さは想定利回りの計算の仕方によるものであり、地方の中古不動産の価格が安いことなどに起因しています。
こうした不動産の利回りは高くて魅力的に映ると思いますが、その不動産を購入しても、必ずしも周辺と同じ家賃で借り手がつくとは限りません。また、人口が減少傾向にある地域の不動産であれば、空き室リスクや家賃の下落リスクも高くなります。
利回りが高いおすすめの不動産投資の方法
不動産投資を成功させるための、利回りの高い不動産の選び方や利回りを維持する方法についてご紹介します。
需要の高いエリアの不動産を選ぶ
不動産投資は、不動産需要の高いエリアを選ぶことによって、安定した高い利回りを確保しやすくなります。人口の多い都市や、増加傾向にある地域、駅に近いなど利便性が高く、嫌悪施設(墓地など)がない場所の不動産を選ぶことが大切です。
建物の修繕をこまめに行う
不動産投資の利回りを維持するには、賃料の下落を抑えつつ、空き室の期間をなるべく作らないことが重要です。そのためには、不動産の継続的なメンテナンスが重要になります。不動産の老朽化を防ぎ、不動産価値を維持するためにも、建物の修繕を適切なタイミングで行いましょう。
不動産小口化商品もおすすめ
不動産小口化商品とは、不動産の運営会社が投資家から出資を集めて不動産を購入し、その不動産から得た運用益を、出資額に応じて投資家に分配する投資商品です。
不動産小口化商品にはあらかじめ運用期間が定められており、投資家には、期間中の運用益からの配当が分配されます。
投資家にとっては、プロが選んだ都市部のマンションや商業施設などの優良物件にも少額から投資できることや、不動産の修繕などの維持管理をすべて任せることができるといったメリットがあります。
関連記事:不動産小口化商品の仕組みとメリット・デメリットを解説
おすすめは不動産クラウドファンディング
不動産小口化商品に投資をするなら、不動産クラウドファンディングがおすすめです。
不動産クラウドファンディングとは、主に、インターネットで投資家から資金を集める匿名組合型の不動産小口化商品になります。
商品にもよりますが、運用期間は1~2年ほどのものが多く、1口数万円程度から投資することが可能です。
想定利回りは5%前後のものが多いですが、これについては運営会社が経費を支払った後の分配金を基として計算されているため、表面利回りではなく実質利回りになります。
TECROWD(テクラウド)では、利回り5~8%ほどの都市部のマンションや商業施設から、利回り10%ほどの新興国の不動産開発プロジェクトまで、国内外の投資案件が豊富にそろっています。ぜひこの機会に募集中のプロジェクトやこれまでの実績をお確かめください。
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