不動産小口化商品の仕組みとメリット・デメリットを解説
2023.12.05不動産クラウドファンディング不動産小口化商品の仕組み
不動産小口化商品とは、不動産を一体としてではなく小口化して投資対象とする商品を指します。
複数の投資家から出資を募って不動産を購入し、賃貸などで運用して得た運用益を、出資額に応じて投資家に分配する仕組みになります。
不動産小口化商品の種類
不動産小口化商品の一つに、不動産特定共同事業法(FTK法)に基づく商品があります。
FTK法とは、財務内容や組織体制などに規制を設けた許可制度のもと、許可を得た信頼性の高い業者のみに不動産小口化商品の販売を認めるものです。
同法によって販売されている不動産小口化商品のほとんどは、「任意組合型」の商品と「匿名組合型」の商品になります。
任意組合型の不動産小口化商品とは
任意組合型の不動産小口化商品とは、事業者(ファンド)と投資家の間で、民法上の「任意組合契約」を締結するタイプの商品になります。
投資家は投資物件の持ち分を所有することによって、不動産の「共同オーナー&共同事業者」となることが特徴です。
投資家は不動産税制の適用を受けることができる一方で、不動産オーナーとしての事業責任(無限責任)を有することになります。
商品としては、1口100万円以上、償還期間10年以上など、やや高めに設定されたものが多く見られます。
匿名組合型の不動産小口化商品とは
匿名組合契約の不動産小口化商品とは、事業者(ファンド)と投資家の間で、商法上の「匿名組合契約」を締結するタイプの商品になります。
不動産のオーナーになるのは不動産業者であり、投資家は出資をしてその運用益の分配を受けるのみとなります。
不動産税制の適用はないものの、投資家はその事業において「匿名」となり、事業において表に名前がでることはありません。
また、出資額以上の責任を負わない「有限責任」であり、はじめての方でも取り組みやすい投資商品になります。
金額は1口10万円程度、償還期間1~2年であるものが多く、任意組合の商品にくらべて少額・短期の商品が多い傾向にあります。
不動産小口化商品と他の不動産投資との違い
不動産小口化商品と、通常の不動産投資やREITとの違いも確認しておきましょう。
通常の不動産投資
通常、不動産投資と言えば、建物1棟や区分所有マンション1戸など、投資対象である現物不動産を投資家自身で購入し、それを自身で運用する投資方法が一般的です。
投資時の資金や不動産賃貸・管理の専門知識が不可欠となります。
これに対して不動産小口化商品は、複数の投資家の出資金で不動産を購入し、それをプロが運用しますので、投資家に求められるものに大きな違いがあります。
REITとの違い
REITとは、不動産の運用を目的とする投資信託で、上場されているものはJ-REITと言われています。
ファンドの運用方針にしたがって、複数の不動産を入れ替えながら投資家の資金を運用し続けます。
上場金融商品であるため流動性が高く証券口座を通じて容易に売買できること、複数の不動産で運用されていることなどに特徴があります。
これに対して不動産小口化商品は、投資家がファンドに申し込んで投資枠を得てから出資できること、投資対象は特定のマンションや商業施設、特定の地域の開発事業など明確であることが特徴です。
不動産小口化商品のメリット
配当金を得られる
不動産小口化商品を購入した投資家には、不動産の運用益から支払われる配当金が支払われます。また、ファンドの運用終了時には、出資した元本が償還されます。
通常の不動産投資に比べて利回りが低いと誤解されることもありますが、不動産小口化商品が示している利回りは、ファンドが経費を差し引いた後の分配額から算定されることが一般的です。
通常の不動産投資の利回りは、経費を差し引く前の利回り(表面利回り)であることが一般的ですので、それに比べると低く見えやすいのですが、実際には遜色のないリターンが狙えます。
都心部など人気不動産にも投資しやすい
人気が高く安定したリターンが見込める都心部のマンションなどは購入価格も高く、1人で購入することは簡単ではありません。
不動産小口化商品であれば、複数の投資家が1口から出資できるため、こうした高額の不動産投資にも少額から参加することができます。
運用を任せられる
不動産小口化商品は、プロが選んだ不動産を、プロに運用してもらえる商品です。
不動産に関する専門知識がなくても、出資をするのみで優良物件への投資に参加することができます。
リスクコントロールしやすい
どのような投資にも元本割れのリスクがあり、不動産投資も例外ではありません。
しかし、投資物件を1人で購入する場合、その不動産が老朽化して価値が下がったり、海外不動産の場合はその国の経済情勢が悪化して不動産価値や家賃相場が下がったりすると、非常に大きな影響を被ることになります。
少額から投資できる不動産小口化商品であれば、複数の不動産、あるいは他の商品に投資を分散させることができるため、リスクも分散することが可能です。
不動産小口化商品のデメリット
不動産投資ローンの対象にならない
通常の不動産投資であれば、不動産投資ローンを活用することで、レバレッジ効果を得ることも可能です。
しかし、不動産小口化商品の購入は不動産投資ローンの対象になりません。
競争率が高くて申し込めないことがある
不動産小口化商品は、多くの投資家に投資のチャンスがある商品ですが、人気の高い商品には投資家が殺到してすぐに募集が終了してしまうことがあります。
気になる商品があれば募集開始日をチェックしておくなど、自身で情報収集をしておくことが必要です。
流動性が低い
不動産小口化商品は、その規約で譲渡に制約があることが多く、また、そもそもREITのような公開市場もないため、途中で換金することが困難です。
最初は、償還期間が短い商品を選ぶとよいでしょう。
なお、投資といえば手仕舞いのタイミングが難しいものですが、不動産小口化商品には償還期間があらかじめ決められているため、通常の不動産投資やREITのように、売却タイミングを自身で見極める必要はありません。
不動産小口化商品のおすすめの活用方法
はじめての不動産投資に
不動産小口化商品であれば、その運用をすべてプロに任せられます。
不動産投資に関する専門知識がいらないため、はじめての不動産投資におすすめです。
他の投資方法との分散投資
安定性の高い投資方法の基本は、分散投資です。
不動産小口化商品は少額から投資をはじめられるため、他の不動産、あるいは他の商品との分散投資に向いています。
特に国内の投資商品を多くお持ちの方は、海外不動産を小口化した商品を選ぶことによって、国内商品とのリスクコントロールに役立てることもできます。
まとめ 不動産小口化商品ならクラウドファンディングも
不動産小口化商品の仕組みや種類、メリット・デメリット、おすすめの活用方法などを解説しました。
不動産小口化商品でおすすめなのは、2017年、FTK法の改正によってはじまった「不動産クラウドファンディング」です。
同法の許可のもと、クラウドファンディング形式で申し込める匿名組合型の商品は、近年、急速にその市場を伸ばしています。
(画像出典)国土交通省:不動産特定事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(令和4年10月)より
TECROWD(テクラウド)では、国内不動産だけでなく、他に取り扱い業者がいない海外不動産への投資も多く取り扱っており、想定利回り10%以上の新興国の開発投資を成功させた実績もあります。投資家のために過去の配当や償還実績もすべて公開していますので、ぜひご活用ください。
TECROWD運営事務局
最新記事 by TECROWD運営事務局 (全て見る)
- 配当支払・元本償還実績レポート(2024/10/1時点) - 2024年10月1日
- 逆張りとは?逆張りの手法やメリット・デメリット、おススメの投資手法について解説! - 2024年6月21日
- 不動産投資クラウドファンディングの利回りとは - 2024年3月19日