不動産の確定申告について計算・手順・提出方法を解説

2023.12.15不動産クラウドファンディング

不動産の確定申告とは

確定申告とは、1月1日~12月31日までの個人の所得を税務署に申告することをいいます。

不動産から得た賃貸収入は「不動産所得」として、確定申告をしなければならない所得に該当します。

不動産の確定申告をしなければならない人

所得税の計算で納税額が生じる場合は、基本的に確定申告が必要になります。

所得税の計算方法

【所得税の計算式】

 

(A-B)×税率

 

・A:各種所得の合計額

不動産所得などを含む所得の合計額になります。

・B:所得控除

その年の所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)の合計額になります。

・税率

所得税の計算は下記の速算表を使って、「課税される所得金額(A-B)×税率-控除額」で計算すると便利です。

課税される所得 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

参考:国税庁:所得税の税率

確定申告をしなくてもよい場合

上記に該当しても確定申告をしなくてよい場合があります。

・給与所得者の場合

会社員などがその給与について年末調整を受けている場合、それ以外の所得(給与や退職金を除いた所得)が20万円以下であれば、確定申告は不要です。

例えば、サラリーマンが副業として不動産投資をしている場合、不動産所得の金額が20万円以下であれば、確定申告が不要となる可能性があります。

・年金受給者の場合

年金を受給しており、その年金が源泉徴収を受けている場合、年金の総支給額(社会保険料や税金を引かれる前の金額)が400万円以下で、かつ、それ以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。

確定申告が不要になる場合の注意点

・不動産所得にマイナスが生じた場合

不動産所得にマイナスが生じた場合、他のプラスの所得と損益通算をすることができます。

支払い時に源泉徴収を受けている収入がある人や予定納税を行っている人は、確定申告をすることによって納め過ぎた所得税の還付を受けられる可能性があります。

また、損益通算をしてもマイナスが残る場合は、青色申告によって確定申告をすることにより、そのマイナスを翌年に繰り越して、翌年以降のプラスの所得から控除することもできます。(最大3年間。各年で確定申告が必要)

・青色申告特別控除(55万円または65万円)を受ける場合

後述する青色申告特別控除(55万円または65万円)の控除を受ける場合、期限内に青色申告をすることが適用条件の一つになります。納税額がなかったり還付金が発生したりする場合でも期限内申告が必要になることに注意が必要です。

不動産所得の計算方法

【不動産所得の計算式】

 

総収入金額-必要経費-青色申告特別控除

 

不動産所得の総収入金額とは

総収入金額に該当する主な収入は、下記のとおりです。

・賃貸料(地代・家賃)

・共益費などの名目で受け取る電気代、水道代、清掃代など

・礼金、権利金、更新料

・名義書換料、承諾料、頭金など

・敷金や保証金のうち返還を必要としない金額

不動産所得の必要経費とは

必要経費に該当する主な収入は、下記のとおりです。

・減価償却費

・管理委託費

・租税公課(固定資産税、事業税など)

・保険料

・修繕費

・貸倒引当金

・借入金の利子

・給与(※)

など

(※)事業主自身や、同一生計の配偶者・親族への給与は経費になりません。ただし、同一生計の配偶者・親族が「事業専従者」である場合は、次項を参照してください。

必要経費の範囲は事業の規模で変わる

不動産の賃貸が事業として行われている場合は、「事業専従者」である同一生計の配偶者や親族への給与を必要経費にすることができます。

必要経費にできる範囲は、青色申告をするかどうかによって変わります。

青色申告 「青色事業専従者給与」として税務署に届け出た範囲内で実際に支給した額を必要経費に算入できる
白色申告 AとBのどちらか低い金額を「事業専従者控除」として必要経費とみなす

【A】
・配偶者…86万円
・それ以外…一人につき50万円
【B】
不動産所得※/(事業専従者の数+1)
※事業専従者給与を控除する前の金額

 

【不動産の事業として行われているかの判定】

不動産賃貸が事業として行われているかどうかは、不動産賃貸の規模が下記のいずれかに該当するかどうかで判定します。

・賃貸できる部屋数がおおむね10室以上ある

・賃貸できる家屋がおおむね5棟以上ある

青色申告特別控除とは

青色申告で確定申告をする場合は、青色申告特別控除を受けることができます。

青色申告で確定申告をするには、税務署に「青色申告承認申請書」を提出し、その後は青色申告をする各年において、法定の帳簿書類を備え付け、取引を記録・保存する必要があります。

【青色申告特別控除を適用するには】

青色申告特別控除額は、基本的には10万円です。

ただし、不動産賃貸が事業的規模であり、かつ、一定の要件を満たすことによって55万円または65万円の控除を受けることが可能です。

・55万円の控除を受ける条件

正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳をし、申告期限内に青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書など)を添付した確定申告書を提出する必要があります。

・65万円の控除を受ける条件

55万円の要件に加えて、次のアとイのいずれかの要件を満たす必要があります。

ア:e-Taxによる電子申告を行う

イ:仕訳帳及び総勘定元帳について優良な電子帳簿の要件を満たして電子帳簿保存を行う(税務署に届け出る必要あり)

・「総収入金額-必要経費」よりも控除額が多い場合

不動産所得は0円になります。青色申告特別控除によってマイナスにはなりません。

不動産所得の確定申告の方法

決算をする

その年の決算整理を行い、帳簿の締めを行います。

主に、その年の収益と費用の見越し・繰延べの処理、減価償却費の計上、家事按分などを行います。

確定申告に必要な書類を準備する

確定申告に必要な書類を準備します。

【例】

・物件の所在地や賃借人の情報が分かる書類(賃貸借契約書・レントロールなど)

・不動産所得以外の収入に関する書類(源泉徴収票など)

・所得控除に関する書類(保険料控除証明書など)

など

確定申告書を作成する

確定申告書と青色申告決算書(白色申告の場合は確定申告書と収支内訳書)を作成します。

国税庁の確定申告書等作成コーナーに入力して作成するほか、用紙を税務署でもらうか国税庁のWebサイトから印刷して手書きで作成することもできます。

確定申告書を提出する

作成した確定申告書を税務署に提出します。

提出方法は、書面で提出する方法と電子申告に分かれます。

紙で申告 郵送・持参
電子申告 e-Taxを使用

青色申告特別控除65万円を「e-Taxによる電子申告」で受けるには、確定申告書等作成コーナーなどで作成した確定申告のデータをe-Taxを送信する方法があります。

ただし、はじめてのe-Taxの利用には事前の準備が必要です。

不動産の確定申告をしないとどうなるか

不動産の確定申告が必要であるにもかかわらずしなかった場合、期限内に申告・納税しなかった所得税に対して、無申告加算税や延滞税がかかります。

まとめ

不動産の確定申告が必要になるケース、収入や経費になるもの、確定申告の手順などを解説しました。

なお、不動産を売却した場合や、J―REITや不動産クラウドファンディングなどで不動産投資をしている場合、その所得は、不動産所得以外のものとなります。確定申告をしたほうが良いケースの判定や、必要経費の範囲などが異なる点に注意してください。

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