不動産投資が節税になる仕組みと注意点を解説

2023.08.29不動産クラウドファンディング

不動産投資が節税になる2つの仕組み

不動産投資とは、一般的に不動産を購入してそのオーナーとなり、不動産の運用収益を得る投資方法をいいます。

個人が不動産オーナーとなる不動産投資には、投資家自身の所得税・住民税や、投資家の相続人が将来負担する相続税を節税できる効果があります。

賃貸アパート・マンション(一棟マンションや区分所有マンション)・戸建住宅や、任意組合型の不動産小口化商品などが、節税効果を得られる投資対象です。

不動産投資が所得税・住民税の節税になる仕組み

不動産の賃貸収入から生じた「不動産所得」の損失は、他の所得(例:会社員の給与所得、フリーランスの事業所得、年金による雑所得など)と損益通算(相殺)することができます。

不動産所得には建物の減価償却費などによって、キャッシュフローは黒字でも計算上はマイナスになる場合があります。

この仕組みを利用して、本業の所得に対する所得税・住民税の節税に役立てることができます。

不動産投資が相続税の節税になる仕組み

投資用の不動産の相続税評価額は、市場価格よりも低くなることが一般的です。

【投資用の不動産の相続税評価額が低くなる仕組み】
・建物を「貸家」(固定資産税評価額から最大30%減)で評価できる
・土地の相続税評価のための路線価が公示価格の80%程度を目安に設定されている
・土地は貸家建付地の評価と小規模宅地等の特例でさらに減額できる可能性がある
・不動産投資ローンの残債を相続人が引き継ぐ場合、債務控除を適用できる

これにより、手持ちの現金や預貯金を不動産の購入費用に充てることで評価額を圧縮し、さらに不動産投資ローンを組み合わせて債務控除で圧縮することによって、相続税を節税することができるのです。

不動産投資を節税目的で始めると後悔する?

不動産投資を節税重視で始めることには、注意点もあります。

不動産投資には確かに節税できる効果がありますが、その節税効果は人によって異なり、さらには購入する不動産によっても異なるからです。

節税効果が人によってバラバラ

「不動産投資をすれば税金が返ってくる」というような話を聞いたことはないでしょうか。

場合によっては、節税額を利回りに含めて投資判断をさせるような不動産業者もあるかもしれません。

しかし、不動産投資による節税効果は、相続税・所得税ともに、人によってかなりの差が生じます。

まず、相続税の税率は10%~55%の超過累進税率であり、資産が多い人の相続のほうが節税効果も高くなる仕組みになっています。

法定相続分に対して1,000万円以下の部分は10%ですが、6億円超の部分の適用税率は55%にもなります。

仮に5,000万円の不動産投資をするにしても、6億5,000万円の相続分の人がするのと、5,000万円の相続分の人がするのでは、節税効果が全く異なるのです。

所得税(5%~45%)についても同様で、節税効果が高いのは高所得者であり、同額の損益通算をしても、所得の高い人と低い人とでは、節税額がまったく異なります。

さらに、節税額の計算は非常に複雑であり、同じ所得、財産額であっても、条件によってかなり変化します。

ご自身が実際にどのくらいの節税効果を受けられるかは、専門家が個別にシミュレーションしなければわかりません。

「節税効果によってローンの返済が安定するから安心だ」というような話を鵜呑みにすることは危険だといえます。

節税できる不動産も限られる

損益通算による節税効果を高めるために、耐用年数の短い中古不動産に投資することも多くあるようです。

年数が経過した古い不動産ほど、減価償却のスピードも速くなり、賃貸収入を上回る減価償却費を計上しやすいからです。

しかし、古い不動産は築浅の不動産に比べて、修繕リスクや空き室リスクなどが高まります。

節税効果を重視しすぎると、買い手のつかない古い物件をつかまされてしまう可能性があり、注意が必要です。

税制改正に注意

あまりに節税効果の高い不動産投資は、税制改正によって節税効果そのものが突然に無くなってしまう可能性があります。

実際、ここ数年間で改正された不動産投資に関わる税制や現在見直しが進められている税制には、下記のようなものがあります。

・貸付事業用宅地等から「相続開始前3年以内の駆け込み投資」を除外
2018年4月以降の相続において、小規模宅地等の特例の対象(最大50%減)となる賃貸不動産の敷地の適用範囲を制限した改正。一部の例外を除き、相続前3年内の駆け込み投資が特例から除外された。

・国外中古建物の損益通算の特例の創設
2021年分の所得税の計算において、海外の中古不動産から生じた減価償却費を損益通算の対象外とした改正。多額の減価償却費を計上しやすい海外の不動産投資で節税することはほぼ不可能になった。

・タワマン節税の見直し
市場価格と相続税評価額が乖離しやすいタワーマンション投資に対し、2022年4月の最高裁判決を受けて、相続税評価額の見直しが進行中。

不動産投資は収益性が重要

ここまでの説明のとおり、現物不動産への投資を選んでも、期待しているような節税効果が必ず得られるとは限りません。

特に相続税の節税目的で不動産投資を始めたものの、相続前の税制改正でその節税スキームが封じられた場合、取り返しのつかないことになります。

例え専門家から節税のアドバイスを受けて始めた不動産投資だとしても、相続税は相続開始日の税法が適用されるため、相続前に改正された場合はどうすることもできず、新しい制度を受け入れるしかないのです。

以上のことから、不動産投資は節税効果ではなく、投資の本質である不動産の需要や収益性で選ぶことが大切になります。

少額から始められる不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資の方法は、現物不動産の購入に限りません。

他にも、不動産を証券化した商品や、不動産を小口化した商品を購入する投資方法があります。

そして近年、法改正が進んだことによって市場規模が拡大している不動産投資の方法が、クラウドファンディング形式による不動産投資です。

この不動産クラウドファンディング事業は、国土交通省の許可事業であり、その市場規模は年々拡大しています。

(画像出典)国土交通省:不動産特定事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(令和4年10月)より

 

不動産クラウドファンディングの仕組みは、事業者(ファンド)がインターネットで投資家から資金を集めて不動産投資を行い、その運用益を投資家に定期的に分配するというものです。

匿名組合契約に基づく出資となるファンドが多く、その場合は、投資家は不動産のオーナーになることはありませんが、その代わりに出資以上の責任を負わずに済みます。

不動産のオーナーにならないことから、節税を目的とした利用には向いていませんが、個人では購入が難しい高額な不動産に少額からでも投資できることや、運用をプロに任せられるなどの魅力があります。

不動産クラウドファンディングにおいて投資家が重視すべきことは、そのファンドの取扱い物件や過去の実績です。

TECROWD(テクラウド)では、国内の都市部のマンション投資などはもちろん、大きなリターンが期待できる新興国の開発事業などを成功させています。

また、これまでの投資家への配当や元本償還の実績をすべて公開しています。

TECROWDの不動産クラウドファンディング

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