第二回ウクライナ復興住宅支援プロジェクト(2023/3/31更新)

2023.01.25ファンドレポート

2022年11月に実施いたしました「第二回ウクライナ復興住宅支援プロジェクト」におきまして、皆様よりお寄せいただいた支援金総額が目標金額である600万円を達成いたしました。

復興住宅の建築、ならびに避難民の方の入居が完了いたしました。

支援にご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げるとともに、最新の現地の状況を報告いたします。

第二回ウクライナ復興住宅支援プロジェクトキービジュアル

TECROWD(テクラウド)を運営するTECRAは過去に、ウクライナの⾸都キーウ市中⼼部近くに所在する⾼級アパートメント『Alʹpiysʹkyy 10』※の内装施⼯を⼿がけておりました。当時のお取引先やスタッフの中には、被害を受けた地域のボランティア活動に従事していた方もおられます。

このような背景もあり、当社が所属するインベスコアグループ(以下、当社グループ)は今後、段階的にウクライナ復興に貢献していきたいと考え、2022年4月にその第一歩として、寄付型クラウドファンディング「ウクライナ⼈道危機 緊急⽀援&仮設住宅建築⽀援プロジェクト」をリリースいたしました。(現在は受付終了)

前回のプロジェクトを行う中で、ウクライナでは復興住宅のニーズは極めて高いものの、住宅建築に関する人的物的リソースが圧倒的に足りないという現実を目の当たりにしました。現地行政機関からも復興住宅建築の強い要望が寄せられたこともあり、第二回目のプロジェクトを行うこととなりました。

前回の支援金寄付&復興住宅寄贈プロジェクトURLはこちら

前回の支援金寄付&復興住宅寄贈プロジェクト後日レポートはこちら

復興住宅の概要

今回建築する復興住宅は、ウクライナ西部のチェルニウツィー州に建築いたします。

安全性の高い住宅を短い工期で完成させられるよう、工場で加工した建築資材を現地で組み立てて建築する、「Ectiveパネル」構造を採用しております。

「Ective」とは、「Eco(断熱気密でエネルギー量削減)」+「Active(いろいろな形へ)」の造語で、この構造によりウクライナ現地の住む家を失った人々に早急に住宅を提供し、迅速な支援につなげてまいります。

また、この復興住宅は約25㎡というコンパクトな設計でありながら、水道・空調等のインフラが完備、必要な家具も一通り揃っており、入居後すぐに生活を始めることが可能な設計となっています。また、トレーラーに載せて移動させることが可能となっており、紛争終了後にはトレーラーで故郷に移設することができる仕様となっています。将来的に2棟以上の建物を連結し、広々とした空間でご家族がお過ごしいただけるオプションプランも準備しております。

工場での部材製造~入居まで

今回のプロジェクトについては、以下のように部材の製造から入居までを進めてまいりました。

①工場にて部材製造

ウクライナ国内にて製造された、断熱性・気密性の高い「Ectiveパネル」がウクライナ西部に搬入されました。

以下は、納品されたEctiveパネルを加工し、柱などと合わせて組み立て前のパーツにしていく様子です。

 

②現地にて組み立て

「Ectiveパネル」構造により、最短5日で組み立てが可能な設計となっている住居の組み立ての様子です。

今回は、組み立て予定時期の前後に工員が複数名徴兵されるなど、未だ続く戦争の影響もあり、2週間ほどかけての組み立てとなりました。

 

以下は、組み立て後の住居を現地に移送し設置する様子です。土地については、ウクライナチェルニウツィー州の自治体と契約を結び、最大130戸の建築が可能な土地を提供いただいております。

③内装工事~完成

内装工事と完成した復興住宅の様子です。

住宅の外壁には日本からウクライナへの寄付の証として、両国の国旗とともに、TECROWD(テクラウド)のロゴも記載されました。

④入居者の決定~入居

入居者は、避難民の方の境遇等を鑑み、現地行政機関と当社グループにて慎重に決定いたしました。

今回新たに建築した2棟の復興住宅には、2家族6名の方に入居いただくこととなりました。

今回の寄贈で、当社グループの建築した復興住宅は計4棟となり、現在計11名の避難民の方が暮らしています。

なお、現在も50以上の家族が復興住宅への入居を希望しており、住宅へのニーズは高い状態が続いています。

 

入居者のご紹介

今回入居した2家族をご紹介いたします。

ペトレンコ家族

彼らはウクライナの南部の都市へルソンからの避難民です。へルソンでは戦争序盤より大規模な砲撃が続き、市内にある彼らの家も砲撃でほとんど破壊されました。

以下、ご家族からのコメント

「必要なものがすべて揃っていて、とても満足しています。用意する必要があったのは折り畳みテーブルくらいでしたが、それも市がすぐに解決してくれました。この住宅を寄付してくれた日本の皆様に感謝しています。」

 

ユリンコヴァ親子

彼女らはウクライナ東部の都市リマンからの避難民です。リマンは街の80~90%の建物が破壊され、ロシアに占領されています。

彼女らは避難列車に乗り、最終地点であるチェルニウツィー州にたどり着きました。

以下、母親からのコメント

「この住宅のすべてがとても気に入っています。特に娘たちが気に入っており、この住宅を寄付してくれた日本の皆様に大きな感謝をしています。」

 

インベスコアグループ プロジェクトメンバーのご紹介

今回のプロジェクトに携わる、当社グループメンバーのご紹介をいたします。

現地取材について

プロジェクトリーダー 板野雅由

(板野雅由)私はキーウにて過去5年間、住宅事業を手掛けてきました。ウクライナにはバレエなどの芸術や美味しい料理、美しい街並みがあり、ホスピタリティの高い人々がいらっしゃいます。私たちは日本企業として、戦火に巻き込まれたウクライナのため、本プロジェクトを通じて、現地に住宅を建設し、復興に協力したいと考えています。第1プロジェクト完工後に渡航した際、地元自治体や住⺠とも交流し、戦地から来る避難⺠の多さを知りました。同時に、彼らが安らげる住宅の不足を痛感しています。日本からのウクライナ復興住宅供給プロジェクトへ、今後とも変わらぬご支援をお願いいたします。

現地取材について

建築・設計監修者 小濱英隆

(小濱英隆)ご存知のように、日本では福島県で大きな災害があり、私もその被災者のうちの1人です。このような被害が発生した場合、復旧は迅速に行われる必要があることを身に染みて感じておりました。今回の話をいただいた際に、自身の経験が生かせると思い、とにかくスピード重視でこのプロジェクトを引き受けました。最短の工期で、少ない人員でも建てられることや、気温が氷点下を下回るウクライナ西部でも暖かく過ごせることにこだわった設計になっています。

 

今後について

一日も早く日常を取り戻せることを願うとともに、今後も住宅支援を含めたあらゆる方法でウクライナ復興に向けた支援を進めてまいります。

引き続き、当社グループのウクライナ支援事業を見守っていただけましたら幸いです。

 

 

 

 

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