現在の円安の原因は何か 円安で起きていること 円安を味方にする投資方法とは
2023.08.24不動産クラウドファンディング円安のニュースを聞かない日がない昨今。
2023年8月現在の日本円と米ドルの相場は1ドル140円前後で推移をしています。
1年前の2022年1月は1ドル115円ほどでしたが、2022年の春先から急激に円安が進行しています。
なぜこれほど短期で円安が進行したのか、その原因や、円安によって引き起こされる現象、また円安を味方にできる投資方法や考え方を紹介します。
現在の円安は何が原因か
2022年春先からの急激なドルに対する円安はなぜ起こっているのでしょうか?
その一番の原因とされているのは、日米間の金利差であると言われています。日本では海外でもほぼ例のないマイナス金利を長く導入しています。そのため日本円を保有しているだけでは、金利収入がないため、お金はほとんど増えません。
一方のアメリカでは、コロナ以降の消費者物価指数の状況に対応するために、相次いで政策金利の上昇を行っています。アメリカの政策金利は2023年8月時点で年利5.5%以上であり、これはアメリカ史上でも稀なほどの高い数字となっています。
つまり、日本円と米ドルの間に5%以上の金利差があるため、ペアでこれらの通貨を持っていると、それだけで年間5%以上のお金が自動的に増えていくことになります。そのため資金が米ドルに流れ、日本円が売られて米ドルが買われるという円安が続く状況が生み出されているのです。
2008年にリーマンショックが発生した際も、日本の金利は非常に低い水準でした。ですがその時は、経済市況の悪化に伴い信頼感の高い日本円が買われ、高金利通貨が売られるという現象が起きていました。
日本の金利は低いままですが、現在は当時とは違った状況が発生しています。
アメリカは金利を上げることで国民の収入を増やし、物価高に対応しようとしていますが、日本の場合は、政策金利を上げてしまうと住宅ローンなどの金利が上がるなどして、経済環境が悪化することを懸念し、国としてはなかなか金利を上げることに踏み切れない状態です。
2023年初頭には、一時的に日銀の介入などで円高傾向に進みましたが、2023年8月時点ではまた徐々に傾向的に円安進行しています。
日本の不動産は海外と比べて割安感が高い
また日本の不動産などは海外と比べて割安感があり、それだけに円安と同時に日本の不動産が買われるという現象が起きています。世界有数の大都市でありながら、東京の地価はニューヨークやロンドンなど他の大都市と比べて安く、利回りが確保できるため投資する価値の高い市場とみられています。
円安に振れることで円の価値が下がり、相対的に外貨が強くなり、海外から投機対象として日本の不動産が買われる状況を招いているのです。
円安によって起こる現象
では、今後も円安が続くことで、どのような現象が発生すると考えられるでしょうか。
輸出事業を主力とする企業の利益増加
円安というのは決してマイナスなことばかりではありません。2008年のリーマンショック時には、1ドル75円と、円には現在の約2倍の価値がありました。しかしリーマンショック当時が好景気であったという印象を持つ人はほぼいないでしょう。
当時は輸出業を中心に不振にあえぐ企業が続出し、求人倍率も一気に低下しました。当時と比べると、現在は物価高が続いているものの、コロナ禍が一段落したこともあり、人流の回復やインバウンド需要の再燃、また輸出をメインとする企業が大きな利益を上げるといったニュースが相次いでいます。ただ、物価高により国民の生活が苦しい状況に変わりありません。賃金も表面的にはアップしてはいるものの、物価高には追い付いておらず、更なる改善が期待されるところです。
海外資産の価値の増加
海外に資産を持っていると、円安が発生すれば自動的に資産が増えます。
例えば、海外で10万米ドルの価値を持つ不動産を持っていた場合、1ドル100円のときであればその不動産の価値は日本円にすると1,000万円ですが、1ドル140円になると、一気に1,400万円にまで上昇します。これは海外の株式などでも同じことが言えます。
つまり、海外資産を持つことは、円安への対策としてとても有効です。
円安を味方にするための投資方法とは
円安は、けっしてマイナス要素ばかりではないことは先に挙げた通りです。では円安になった時にメリットのある投資手法とはどういったものが挙げられるでしょうか。
FX(外国為替証拠金取引)
まず為替関係の投資というとFXが思い浮かぶでしょう。ドル円ペアを買っていれば、円安が進行すると為替差益が発生します。スワップ金利収入も得ることができるので、インカムとキャピタルの両方を狙えることもメリットです。
ただし過剰な円安が進行すると市場の調整が入り、急激な円高を招くこともあるので相場の監視には注意が必要です。
株式投資
円安になると、日本のインバウンド関係の企業の業績が好調となるため、そうした事業を展開する会社の株を買うことで利益を出せる可能性があります。
また、円安時は輸出を主事業としている会社の株価も上昇しやすいため、自動車製造業等の株を購入することも一つの方法と言えるでしょう。
ただし、株も為替と同様に相場が上下しますので、期待を裏切るような決算結果であったり株価の急激な上昇が見られた際には、利益確定売りなどで下落が起こる可能性があるので注意が必要です。
海外の商品を含む投資信託
株式投資やFXは相場の監視やこまめな取引が必要です。本業が忙しい人にとってはなかなか集中できず、結果思わぬ損失を招いてしまうこともあります。そんな事態を防ぎたいときには、海外の投資商品を含む投資信託を買うことも考えてみましょう。自分で資産運用する必要がないというメリットがあります。
一方で、投資する商品によっては損失が発生する可能性もあるので、慎重な商品選びが重要です。
海外不動産クラウドファンディング
円安が起こると円の価値が下がるため、海外の不動産を購入することは難しくなります。しかし、今後の成長が期待される海外の不動産は、少子化で人口減少中の日本に比べると、値上がりの余地が多く残されています。それだけに海外不動産投資をしたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで検討したいのが海外不動産に投資できるクラウドファンディングです。特に日本の会社が運営している海外不動産クラウドファンディングであれば、日本円で海外不動産に投資できるため、相場の変動に一喜一憂する必要はありません。自分で不動産を購入したり運用したりする必要もないので、手間をかけずに定期的な収入を得ることが可能です。
成長市場に為替相場変動の影響を受けずに投資したいのであれば、海外不動産クラウドファンディングは大いに検討の価値ありと言えます。
まとめ
2023年時点の円安の原因は、アメリカと日本の金利の差が大きく影響しています。日本では政策金利を上げることが非常に困難であるため、この円安はしばらく続くものと思われます。
海外に資産を持つことは円安対策としての有効な手段の一つとなります。
日本円のまま海外資産に投資できる選択肢として、投資信託や不動産投資型クラウドファンディングなどを検討してみてはいかがでしょうか。
TECROWD運営事務局
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