【不動産クラウドファンディング】匿名組合型と任意組合型の違い
2022.10.24不動産クラウドファンディング不動産クラウドファンディングは、投資家から募った資金をもとに不動産に関するビジネスを行い、得られた収益の一部を投資家に還元する仕組みのことで、不動産特定共同事業法に基づいて行われるものです。
投資家から出資を募る方法には主に「匿名組合型」と「任意組合型」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
本記事では、匿名組合型と任意組合型の違いについてご紹介します。
匿名組合型とは?
匿名組合型とは、投資家がクラウドファンディング事業者との間で締結した匿名組合契約に基づいて行う不動産特定共同事業で、投資家は事業者の事業のために出資し、事業者が事業から得た利益の一部を投資家に分配する仕組みのことを指します。
投資家が不動産クラウドファンディング事業者に資金を出資し、その資金をもとに不動産クラウドファンディング事業者は事業を行うため、投資家は資金を出資するだけの投資形態です。
匿名組合型のメリット
匿名組合型は、投資家自身が運用しなくても不動産運用で得られた収益を得ることができます。
そのため、初めて投資を行う方や運用を理解していない方でも取り組みやすい方法だと言えます。
匿名組合型の注意点
匿名組合型の注意点としては、投資家が不動産の所有権を得られないことが挙げられます。
そのため、クラウドファンディング事業者に万が一のことがあった際には、運用対象となる不動産を確保することが難しいケースもあります。
任意組合型とは?
任意組合型とは、投資家と不動産クラウドファンディング事業者との間で締結した任意組合契約に基づいて行う不動産特定共同事業です。
投資家が組合員として出資し、共同で事業を行う建付けですが、実際は組合員は不動産クラウドファンディング事業者を業務執行者として選出し、物件管理や資金管理にはその業務執行者があたるため、投資家は分配金の支払を受けるのみとなる形が多くなります。
任意組合型のメリット
任意組合型のメリットには、現物不動産を所有するのとほぼ同じ効果を得られるということが挙げられます。
現物不動産、特に賃貸不動産は、相続発生時の相続税評価額を圧縮することが可能になることが多く、その結果、相続税の軽減につながります。
任意組合型の注意点
任意組合型は投資家自身が不動産を実質的に所有している状態であるため、所有者としての責任とリスクが生じます。
また、相続評価額の圧縮に用いられることが多いという背景ゆえ、投資単価が高額なる傾向や、運用期間が比較的長期間になる傾向があります。
匿名組合型と任意組合型の違い
匿名組合型と任意組合型には、先述したものだけではなく下記のような違いがあります。
もととなる法律が異なる
匿名組合型の準拠する法律は商法となります。
出典:e-Govポータル 商法第535条(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=132AC0000000048_20200401_429AC0000000045)
一方、任意組合型の準拠する法律は民法となります。
出典:e-Govポータル 民法第667条から668条(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)
不動産登記
匿名組合型は、実際の所有者も登記上の所有者もクラウドファンディング事業者となります。任意組合型は組合員が購入した対象不動産の持ち分を出資する「現物出資型」の場合は、組合員も所有者・出資者として登記されますが、投資家は金銭を出資するのみで、クラウドファンディング事業者が対象不動産を購入する「金銭出資型」の場合は、組合員は登記簿上は登場しません。
おわりに
本記事では、不動産クラウドファンディングにおける匿名組合型と任意組合型の違いを解説しました。
匿名組合型がシンプルに資産運用手段として用いられることが多いのに対し、任意組合型は相続対策としても用いられます。
資産運用する金額、目的、運用期間等々に合わせて、どのタイプに投資するか決めるようにしましょう。
TECROWD運営事務局
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