私立大学の4年間の学費は平均でいくら? 学費の準備方法や利用できる制度も紹介

2024.03.15不動産クラウドファンディング

私立大学の4年間の学費は平均でいくら? 学費の準備方法や利用できる制度も紹介

私立大学の学費

子どもが小さいうちは将来の進学先はわかりません。しかし、国立大学よりお金のかかる私立大学の学費を知っておくと、教育費準備の目標も立てやすくなるでしょう。公的なデータから私立大学の学費を紹介します。

私立大学の学部別初年度納付金

最初に、2021年度の私立大学の学部別の初年度納付金を紹介します。初年度納付金とは入学金、授業料、施設設備費の合計です。

授業料 入学金 施設設備費 合計
文科系 81万5,069円 22万5,651円 14万8,272円 118万8,991円
理科系 113万6,074円 25万1,029円 17万9,159円 156万6,262円
医歯系 288万2,894円 107万6,278円 93万1,367円 489万539円
その他 96万9,074円 25万4,836円 23万5,702円 145万9,612円
全体平均 93万943円 24万5,951円 18万186円 135万7,080円

出典:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より

私立大学の初年度納付金の推移

2021年の私立大学の初年度納付金の平均額は、135万7,080円でした。2017年からの初年度納付金の平均額の推移を紹介します。

年度 初年度納付金 増減率(前年比)
2017年 133万3,418円 1.3%
2018年 133万6,033円 0.2%
2019年 134万723円 0.4%
2020年 135万6,223円 1.2%
2021年 135万7,080円 0.1%

出典:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より

上記から、私立大学の学費は少しずつ値上がりしていることがわかります。子どもが生まれてすぐ学費の準備を始める場合、将来の値上がりを想定しておきましょう。

私立大学の学部別4年間の学費総額

上記の学費から、私立大学の入学から卒業までにかかる学費の総額を学部ごとに試算してみます。なお、医歯系は6年間の合計となります。

在学中の授業料 入学金 在学中の施設設備費 合計
文科系 326万276円 22万5,651円 59万3,088円 407万9,015円
理科系 454万4,296円 25万1,029円 71万6,636円 551万1,961円
医歯系 1,729万7,364円 107万6,278円 558万8,202円 2,396万1,844円
その他 387万6,296円 25万4,836円 94万2,808円 507万3,940円

 

私立大学と国立大学の学費の違い

国立大学の入学金と授業料の標準額は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」により、以下のように定められています。

・入学金:28万2,000円

・授業料(年額):53万5,800円

ほとんどの国立大学では入学金、授業料ともに標準額を採用しており、施設設備費はかかりません。国立大学の初年度納付金(標準額)は81万7,800円で、私立大学の平均よりも約50万円低い金額です。また、4年間の学費は242万5,200円で、どの学部に進んでも私立大学の学費は国立大学を大きく上回ります。

下宿する場合の費用

進学先が遠方の場合は子どもがアパートなどに下宿し、生活費の仕送りが必要になります。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(2021年度)」によると、子どもへの仕送り額は年平均95万8,000円(月約8万円)です。アパートの敷金や家財の購入費のような初期費用の平均額は、38万7,000円となっています。

教育資金が不足する場合はどうする?

教育資金が不足する場合はどうする?

私立大学の学費は国立大学より高額であり、進学までに全額の準備は難しい家庭も少なくないでしょう。大学の学費が準備しきれない場合の対応策を解説します。

奨学金の利用

教育資金が不足する場合、奨学金の利用が1つの選択肢となります。多くの人が利用するのが、「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金です。JASSOの奨学金には返済の必要がない給付型と、返済の必要がある貸与型があります。貸与型の利用にあたっては、将来の子どもの負担を考える必要があります。

参照:奨学金制度の種類と概要 | JASSO

教育ローンの利用

もう1つの選択肢は、教育ローンの利用です。教育ローンは日本政策金融公庫や銀行のような金融機関で取り扱っています。日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は、子ども1人に対して350万円まで借り入れが可能です。ただし、利用できる保護者の世帯年収に上限があります。

参照:教育ローン用 返済シミュレーション|日本政策金融公庫

大学無償化制度

2020年4月から大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)がスタートしました。この制度での支援内容は、入学料・授業料の減免と給付型奨学金の支給です。ただし、この制度の対象となるには、住民税非課税世帯などの世帯収入や資産要件を満たす必要があります。

2023年12月に高等教育の修学支援新制度の拡充案が公表されました。拡充案の内容は、2025年から子どもが3人以上いる世帯(3人以上扶養中の場合)については、所得制限なしで大学の授業料を無償化するというものです。該当する世帯にとっては、大きなメリットのある制度といえそうです。

参照:

私立大学に進学するための教育費を準備するポイント

私立大学に進学するための教育費を準備するポイント

私立大学への進学には高額な学費がかかるため、準備のためには家計に大きな負担がかかります。そこで、効率よく教育費を準備するポイントを解説します。

子どもが生まれたらすぐに準備を始める

教育費準備は、子どもが誕生したらすぐに始めましょう。同じ目標金額を準備する場合、期間が長いほど毎月の負担は軽くなります。たとえば、教育資金500万円を10年で準備するなら年間50万円の積立が必要ですが、18年かけられるなら約30万円の負担ですみます。子どもが生まれる前から目標を立てておき、生まれたらすぐに積立を始められるようにしましょう。

子どもが小学生までが「貯めどき」と心得る

教育資金は、子どもが小学生までのうちにできるだけ多く準備しましょう。子どもが中学生になると公立校でも部活動や塾の費用がかかるようになり、教育費の準備に回せるお金が少なくなる可能性があります。家計にゆとりのあるうちに教育資金を多めに準備すると、お金のかかる時期の負担を減らせます。

児童手当を教育費準備に活用する

児童手当は、0歳から中学卒業までの子どものいる世帯に支給される給付金です。現行の子ども1人あたりの支給額は、以下のとおりです。

・3歳未満:1万5,000円

・3歳以上小学校修了前:1万円(第3子以降は1万5,000円)

・中学生:1万円

現行の児童手当には所得制限があり、減額されたり不支給になったりする世帯もあります。通常の児童手当が受けられる場合、第2子までの子ども1人がもらえる児童手当の総額は約200万円です。児童手当を大学費用の積立の財源にしましょう。

児童手当の制度は2024年10月から、所得制限の撤廃や支給期間の延長、第3子の手当増額などの改正が行われる予定です。

参照:児童手当制度のご案内|こども家庭庁Web

学資保険が有利とはいえないことを理解する

教育資金準備に学資保険を活用する人は多いと考えられますが、超低金利の現在ではそれほど有利とはいえません。学資保険は貯蓄と親の万一の場合の保険機能を兼ね備える金融商品です。しかし、積み立てたお金はほとんど増えません。また、医療の特約のつくタイプでは、払込保険料より満期保険金が少なくなるケースもあります。教育資金準備の手段として必ずしも最適でないと知っておきましょう。

おすすめの教育資金準備方法

子どもを大学へ進学させるには、多くのお金がかかります。預貯金や学資保険を利用するより、投資の活用を検討してみましょう。そこで、教育資金準備に適した投資の一部を紹介します。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行うサービスです。不動産投資で得られた家賃収入や不動産の売却益が投資家に分配され、運用が終了すると投資元本が返還されます。

不動産への直接投資では数千万円の資金が必要なケースもありますが、不動産クラウドファンディングなら事業者によっては1万円程度から投資できます。また、入居者募集や物件の管理などはすべて事業者が行うため、投資家に手間はかかりません。

5%以上の利回りで運用されるファンドも多く、投資初心者にも非常に人気があります。元本保証ではありませんが、比較的手堅い投資であるため、教育資金準備にも適しているといえます。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)とは、NISA口座で購入した上場株式や投資信託の運用益が非課税になる制度です。私立大学の学費のようにまとまった資金を準備する場合、NISAを利用した長期の積立投資が有効といえます。たとえば、18年間で500万円を準備する場合、年率0.002%(現在の多くの定期預金金利)では毎月約2万3,000円の積立が必要ですが、年率2%で運用できれば約1万9,000円の積立で達成できます。元本保証ではないため、将来の資産額は確定ではありません。しかし、長期間の運用によって価格変動リスクが軽減され、安定した収益を期待できます。

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