投資は副業にあたらない? 会社員におすすめの投資や確定申告について解説

2024.02.28不動産クラウドファンディング

投資は副業にあたるのか?

厚生労働省では2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、副業を推進しています。そのため、最近では副業を解禁する企業も増えています。しかし、勤務先が副業禁止で、株式や不動産への投資が副業にあたらないか心配な人もいるでしょう。そもそもの問題として、投資は副業に該当するのでしょうか。投資と副業の関係と、問題点について解説します。

副業禁止でも投資は問題になりにくい

一般的に投資は他者から報酬を得るものではないため副業とは見なされません。公務員は法律で副業を禁じられていますが、投資は法律で規定される副業にはあたらないと解釈されています(国家公務員法第103条地方公務員法第38条)。つまり、副業が禁止であっても、投資は問題とならないと考えてよいでしょう。

しかし、勤務先の規則や業務内容によっては、投資が競合や利益相反に関わる可能性があります。また、勤務先が投資そのものを禁止しているケースもあります。そのため、投資をする場合、社内規程などの事前確認が必要です。

投資が問題となるケース

先述した厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、以下のようなケースで勤務先から従業員への副業の制限が許されるとしています。

・労務提供上の支障がある場合

・業務上の秘密を漏洩する場合

・競業により自社の利益が害される場合(勤務先と同業を営むなど)

・自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

参照:副業・兼業の促進に関するガイドライン

投資については上場企業や金融機関の従業員に対して、インサイダー取引防止のために一定の制限がかかります(金融商品取引法第166条)。

不動産投資の5棟10室基準

公務員も投資は問題にはなりませんが、不動産投資には事業的規模(副業にあたる)の目安として「5棟10室基準」というものがあります。5棟10室基準で不動産投資が事業的規模と見なされるのは、以下のようなケースです。

・1戸建ての貸家なら5棟以上

・アパート・マンションなら10室以上

この基準は人事院規則で詳しい内容が示されているため、公務員が不動産投資をするならこの基準を遵守する必要があります(人事院規則14-8)。

会社員が副収入を得られる投資

投資は副業ではありませんが、会社員が副収入を得るために有効な方法です。会社員が投資をする場合、なるべく手間のかからない、インカムゲインを得られる投資が向いています。ここでは、会社員にお勧めの4つの投資を紹介します。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、投資家から集めた資金で事業者が不動産事業を行い、収益を分配するサービスです。投資家は定期的に分配金を受け取れるので、副収入を得たい会社員に適した投資といえます。

会社員が自分で不動産を購入して賃貸経営をする場合、融資を受けたり、物件を購入して入居者を募集したりと手間もお金もかかります。不動産クラウドファンディングは10万円前後から始められ、実際の不動産の運用は事業者が行ってくれます。

不動産クラウドファンディングは元本保証でなく、中途換金は原則としてできません。しかし、想定利回り5%以上のファンドも多く、中には10%以上のファンドもあります。最近では成長著しい新興国の不動産に投資するファンドもあり、高い収益性と堅実さのバランスの取れた投資としてますます注目されていくでしょう。

REIT

REIT(リート)とは投資家から集めた資金を不動産に投資し、収益を分配する不動産投資信託です。日本で取り扱われているREITはJ-REITと呼ばれています。J-REIT の投資額は銘柄によって異なり、2万円程度のものもあります。不動産クラウドファンディングと違い、市場での売買によって投資をする仕組みです。そのため、不動産クラウドファンディングにはない価格変動リスクがあり、換金しやすいメリットもあります。

高配当株投資

株式投資の中には短期間で売却益を得る方法もありますが、高い配当利回りの銘柄を長期保有して配当金を受け取る方法もあります。高配当銘柄の目安は、配当利回りが年4%以上といわれています。高配当株投資のメリットは、保有しているだけで安定した収入源になることです。一方、デメリットとして、配当金の減額の可能性や、株価の下落リスクがあります。高配当株投資は長期保有が前提であり、日々の値動きを追うことはそこまで必要ではないため、忙しい会社員でも取り組みやすい投資といえます。

高配当ETF

ETFとは投資信託の一種で、株式と同様に市場で売買されることから、「上場投資信託」と呼ばれます。ETFはTOPIXや日経平均株価のような指標と連動するように運用されており、一般の投資信託より信託報酬が低めの点が特徴です。高配当ETFは、配当利回りの高い株式で組成されたETFを指し、分配金による利益を狙えます。投資信託の中にも高配当の銘柄がありますが、長期保有を前提とする場合、信託報酬の安いETFが有利といえます。

会社員が投資をするメリット

ここでは、会社員が投資をするメリットについて、以下の3つの観点から解説します。

本業以外の収入が得られる

会社員が投資をする最大のメリットは、本業以外の収入が得られることです。会社員の給与は基本的には固定されており、昇給やボーナスも限られています。しかし、投資によって本業とは別の収入源を得て、生活水準を向上させたり、趣味にお金をかけたりできるようになります。

副業より時間をかけずに収入を得られる

投資には手間のかからない方法もあり、副業と比較して時間をかけずに収入を得られます。副業は自分の時間を使うだけでなく、勤務先の規則や契約によっては制限されている場合もあります。しかし、投資は自分の都合に合わせられ、多くの場合、勤務先に迷惑をかける心配もありません。

視野を広げられる

会社員が投資をするもう1つのメリットは、視野を広げられることです。投資をするためには、経済や社会の動向や情報に敏感でなければなりません。また、投資先についても知る必要があり、自分の専門分野以外の知識を身につけられます。さらに、投資は自分の意思決定能力やリスク管理能力の向上にもつながります。これらの能力は、本業だけでなく人生全般において役立つものと言ってもよいでしょう。

投資の利益と確定申告

投資で利益を得た場合、原則として確定申告が必要となります。投資の利益の確定申告について解説します。

投資で確定申告が必要になる条件

会社員や公務員が投資で20万円超の所得を得た場合は、確定申告が必要です。勤務先で源泉徴収されている場合でも、投資によって得た所得は自分で確定申告しなければなりません。

ただし、株式や投資信託への投資をNISAや源泉徴収ありの特定口座で行っている人は、確定申告の必要はありません。

そのほかの投資方法で年間20万円超の所得を得た場合は、確定申告が必要です。20万円以下であれば確定申告は不要ですが、市区町村の役所へ住民税の申告をする必要があります。

投資の所得と経費

投資の種類によっては、かかる費用を経費として計上できる場合があります。株式投資であれば金融機関への手数料などが、不動産投資であればローンの金利や火災保険料のようなさまざまな経費が認められます。

勤務先に知られたくない場合

投資が副業にあたらないとしても、勤務先に投資をしていることを知られたくない人もいるかもしれません。その場合、確定申告の際に申告書第二表「住民税に関する事項」の徴収方法欄にある「自分で徴収」に“〇”を付けましょう。これにより、住民税の納付書が自宅に送られてくるため、投資の利益を勤務先に知られずにすみます。

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