インカムゲインとキャピタルゲインの違いとは? 不動産投資の利益はどちらに該当?
2023.07.21不動産クラウドファンディング資金を運用して利益を出していく資産運用。その利益の種類には、インカムゲインとキャピタルゲインという2つがあります。
この記事では、投資の基礎知識としてインカムゲインとキャピタルゲインの違い、そして不動産投資を行う場合の利益はどちらに該当するのかを解説します。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、資産を運用して継続的に得られる利益のことを指します。例えば株式を購入すると、銘柄によっては定期的な配当金を受け取ることができます。FX(外国為替証拠金取引)投資は、2つの通貨ペアを購入する投資ですが、金利差がある通貨ペアを買うことで、金利差によるスワップ金利を受け取ることができます。この金利収入や配当金収入は資産を保有している間続きます。
このように、長期にわたって運用収入を得るのがインカムゲインです。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインは、長期的にではなく資産の売買を行って比較的短い期間で利益を受け取る資産運用のことを指します。例えば株を10万円で購入し、20万円になった時に売れば、10万円の利益が発生します。逆に10万円で購入した株が5万円になってしまえば5万円の損失が発生します。
一般的には購入した資産が値上がりすることを想定して購入しますが、FXや株では空売り、つまり高値で売って安値で買い戻すことによる売買益も可能です。
いずれにせよ自分の想定したとおりの値動きが起これば利益が出ますが、逆の動きになると損失が発生します。
インカムゲインとキャピタルゲインそれぞれのメリット
インカムゲインのメリット
インカムゲインのメリットは、基本的には損失が発生しないことです。
通貨や株は資産を保有していればそれだけで自動的に収益が発生していきます。また収入がどの程度になるのかもある程度予測しやすいので、収入の目処を立てることもできます。
ただし融資を受けて資産を購入している場合、融資の金利支払いが資産収入のインカムゲインを上回り損失が発生することもあります。
またインカムゲインはキャピタルゲインと比較すると、短期で大きな利益を得ることには向いていません。長期に渡って少しずつ稼いでいくタイプの収入です。
キャピタルゲインのメリット
キャピタルゲインのメリットは、瞬発的に大きな利益を生み出し得ることです。株価は短期的に大きく上昇することもありますし、FXはレバレッジをかけることで、自分の手持ち資金以上に大きな資産を運用し、その結果大きな利益を出すこともできます。
ただし相場の変動により損失が発生することも頻繁にあり、基本的にハイリターンを目指すときには、同時にリスクも大きくなります。
またキャピタルゲイン目的の場合、相場を常に監視しておかないと、急激な相場の変動に対応できず、損失リスクが高まります。本業が忙しい人にとっては相場の監視が負担になることもあります。
副業としてキャピタルゲインによって着実な利益を出すことは、投資の熟練者でないと難しいと言えるでしょう。
不動産投資の利益の仕組み
では不動産投資の場合、資産運用による利益はどういった仕組みで生まれるのでしょうか。
不動産投資ではキャピタルゲインとインカムゲインのそれぞれを生み出すことが可能です。不動産投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインの具体例を見ていきましょう。
不動産投資で生まれるインカムゲイン
不動産投資で発生するインカムゲインは、家賃収入を指します。マンションやアパートなどを購入して他者に貸し出している期間は、定期的に家賃収入を受け取ることができます。また居住用不動産に限らず、店舗物件や倉庫など事業用不動産、また駐車場など土地を貸し出すことでも収入を得ることが出来ます。不動産には様々な種類がありますが、それらのいずれも他者に貸し出すことで家賃収入を受け取ることが可能です。
一方で、貸し出す相手がいなくなってしまえば家賃収入が発生しなくなります。また、競合物件が増えたり、物件の老朽化などにより家賃を値下げせざるを得ないこともあります。
仮に融資を受けて不動産を購入している場合、毎月の返済が発生しますから、空室が続いたり、家賃を下げたりすることで、収入を返済が上回ってしまうこともあります。インカムゲインは損失が発生しにくいですが、融資を受けている場合は損失の発生に気を配らなくてはなりません。
定期的に不動産収入を得るためには物件の競争力を高めたり、古い物件を売って新しい物件に買い換えるなどの工夫が必要です。
不動産投資でインカムゲイン収入を着実に稼いでいくためには、継続的に賃貸需要のある物件を見抜く力も大切です。
不動産投資で生まれるキャピタルゲイン
不動産投資で生まれるキャピタルゲインとは、物件を売買して生まれる利益です。例えば駅などが新しくできて地価が値上がりしそうな土地を見つけて購入し、数年後に売却して利益を得る。これが不動産投資のキャピタルゲインです。不動産市況が値上がり傾向であったり、またピンポイントで地価が上昇している場所を見つけて不動産を購入することで、キャピタルゲインを得ることができます。
また不動産投資を行う人の中には、格安で築古の物件を購入してリフォームやリノベーションを行い、不動産の価値を高めた後に売却することで利益を出すという方法を採る人もいます。その他にも底地や再建築不可など問題のある物件を格安で購入し、法律上の問題を解決したり、他の土地と合わせて大きな土地にすることで、土地の価値を高めて転売するといった投資の手法もあります。
一方、不動産は必ずしも値上がりするばかりではなく値下がりしてしまう場合もあります. す。キャピタルゲイン目的で投資をする場合、不動産の価格が下がれば損失が発生します。
特に過疎化が進んでいる地域では住居などの不動産の需要が無くなる傾向にあり、不動産を貸し出して家賃収入を得ることも難しくなり、しかも価格も下がるので、大きな損失になってしまうこともあります。
また土地の価値、地価は相場が上がったり下がったりしますが、建物の価値は基本的には経年でどんどん下がっていきます。そのため不動産の売買で利益を得ることは簡単ではないと言えます。
日本では1980年代後半に発生したバブル経済で不動産価格が大きく値上がりし、不動産投資が活性化しました。短期間で日本の地価は数倍に跳ね上がりました。
しかし、1990年代に入るとバブル経済は崩壊し不動産はピーク時の何分の1にも下落しました。破綻する金融機関も発生し、不動産投資で大きく利益を出した人もいれば不動産投資で大きく損失を出してしまった人もいるのです。
まとめ
投資で得られる利益には、キャピタルゲインとインカムゲインがあります。キャピタルゲインは売買によって発生する利益を、インカムゲインは資産を保有している間定期的に発生する収入のことを指します。
不動産投資においては物件を売買して得られる利益がキャピタルゲイン、家賃収入がインカムゲインに相当します。
不動産の内訳は土地と建物に分けられますが土地の価値は上がることも下がることもありますが、建物の価値は基本的には下がるため、不動産を購入時より高値で売却することは、投資初心者には難しいと言えます。
一方で人口が増えるエリア、賃貸需要が高まるエリアなどを見抜けば、定期的なインカムゲインを得ることは必ずしも難しいことではありません。
投資初心者が不動産投資をしていく場合には、キャピタルゲイン目的よりもインカムゲイン目的で投資を狙うことが手堅い方法と言えるでしょう。
TECROWD運営事務局
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