当社が先日募集させていただきました、TECROWD27号ファンド「White House in Chaikina」の対象不動産がウクライナと同じ中央アジアであるカザフスタンに位置していること等から、多くのお客様より、今回のロシア・ウクライナ情勢による当社ファンドの運営への影響につき、ご質問を頂戴しておりますので、同情勢等に対する当社の見解につき、ご報告いたします。
カザフスタンは、ご存じのとおり、旧ソ連から独立した国家であり、ロシアとの関係は決して浅くはありません。
しかし、原油・天然ガス・ウランといった地下資源を豊富に有している資源国であり、最大の輸出品目である原油の輸出等により外貨準備は潤沢、カザフスタン国内で外資企業が原油採掘を行う際に徴収するロイヤリティーの一部をプールした「国家石油基金」も巨額であることから、国家収支や財政の面で危機に陥る可能性は非常に低いと言われております。
輸出先も、ロシア以上の比率で、中国・イタリア・オランダ・ウズベキスタン等向けが多く、ロシア依存ではなく、自立した経済体制が築かれていると考えることができます。
これらのことから、今後、万が一、ロシアとの関係が悪化し、貿易が途絶えるようなことがあったとしても、受ける影響は極めて小さいと考えております。
むしろ、今般の事態を受けて原油価格が上昇することにより、その恩恵を受ける可能性も高いと考えられます。
国際格付機関であるS&P Global Ratingsは、カザフスタンの国債評価をStable Outlook(安定した見通し)と据え置きし、今般の事態によるカザフスタンのマクロ経済への影響を限定的と判断しています(2022年3月4日時点 出典:THE ASTANA TIMES)。
カザフスタンとロシアとの関係は、決して従属的なものではなく対等で、実際に今般の事態に際し、ロシアより求められた軍の派遣を断っただけでなく、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立についても承認しないと発表しており、国家としてのスタンスは明確です。
今後についても、前述のとおり、安定した国家財務状況を背景に、ロシアに追随することは想定しづらいと考えられます。
以上のことから、今般のロシア・ウクライナ情勢が、カザフスタン国、および当社の組成するファンドへ与える影響は極めて限定的であると考えており、今後も、カザフスタンの不動産を対象としたファンドのリリースを検討・予定しております。
建設コストの値上がり等の影響が発生することは懸念されますが、建材は中国から輸入しているものも多いため、影響は懸念するレベルには至らないと考えております。
また、当社の属するインベスコアグループのカザフスタン子会社はSWIFT排除の制裁対象となる大手7行とは取引しておらず、カザフスタン資本の銀行と取引しておりますので、こちらについても影響は限定的と判断しております
ただ、ロシア・ウクライナ情勢は、予断を許さない状況であることには変わらず、今後、当社の運営するファンドにも影響が出ることを完全に排除することはできないのも事実であるため、今後の動向に注視は続けてまいりますし、投資家の皆様にご報告すべきことが認められた際には、適宜情報発信を行ってまいります。
以上、投資家の皆様には、引き続きTECROWDをご愛顧いただきますよう、お願い申し上げます。
TECROWD事業責任者 新野 博信